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タランティーノの優しさに思わず涙…
アメリカ映画史上最も残酷な事件を笑いに変えた傑作

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(2019年)

画家BABIさん

ーーーこの作品も、ディカプリオが主演の作品ですね。

「そうですね。はじめは、「ディカプリオが出るから観なきゃ! 」という思いで映画館に行ったんですけど、予備知識を入れずに観たので、初めの30分くらいは「なんじゃこれ? 」と(笑)。

ーーー確かにつかみどころのない話ではありますよね。

「ブラピの演技は凄かったですけどね。ただ、徐々に伏線が回収されてきて、後半になってやっとシャロン・テート事件(女優のシャロン・テートが狂信的なカルト指導者チャールズ・マンソンの信者に自宅で殺害された事件)を扱った話なんだと分かった。

シャロン・テート事件って、ヒッピー文化全盛のアメリカで起きたかなり残酷な事件だと思うんですけど、タランティーノは最後、どういう風に締めくくるのかなと思って観てたら、最高に面白い殺し方したじゃないですか(笑)。

アメリカ映画史上一番イヤな事件を、ブラピとディカプリオで笑いに変えてくれたタランティーノの優しさに感動しました」

ーーーしかも、最初に不気味な雰囲気で出てきたブラピが、最後の最後に大活躍するっていう(笑)

「そうそう(笑)。ディカプリオ演じるリックがマンソンファミリーを丸焦げにするところは爆笑だし、現場検証に来た警察に「ヒッピーの馬鹿どもが…」と吐き捨てるセリフも、ブラピ演じるクリフとリックの友情を感じさせるシーンも最高ですよね。

で、ラスト、シャロン・テートのインターフォン越しの声ではもう号泣しちゃって。「なんだよこの映画。すごいじゃん! 」みたいな。

ちなみに、リリー(・フランキー)さんは演出家の大根仁さんと一緒に観に行ったらしいんですけど、観終わった後ずっとリリーさんとLINEしてました。「あの映画最高だったよね! 」って」

ーーー現実を知っている分、あり得たかもしれない展開が涙を誘いますよね。ちなみに、BABIさんがビジュアル面で映画から刺激を受けることはありますか?

「良い意味でも悪い意味でも刺激は受けますね。例えばギャング映画を観るとめっちゃギャングになっちゃうんですよ、私(笑)。

ファッションや車もかなり影響を受けていて、ヴィンテージものの車を買った後に機能性の高い全長6メートルくらいあるピックアップトラックを買ったりもしてるので(笑)、できるだけ気を付けるようにはしています」

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