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あの大人気シリーズがなぜ打ち切られた? サム・ライミ監督作『スパイダーマン4』あらすじや当時の製作裏話を徹底解説

text by 編集部

サム・ライミ監督の映画『スパイダーマン』シリーズは、多くのファンの人気を博する。2002年に公開された初代『スパイダーマン』は、アメコミ映画のブームの原点として今でも多くのファンに愛され続けている名作である。今回は米Colliderを参考に、映画『スパイダーマン4』のあらすじや製作裏話などをご紹介していく。

サム・ライミ監督は『スパイダーマン3』を酷評?

サム・ライミ
サムライミ監督Getty Images

サム・ライミ監督の2000年代初頭のスパイダーマン3部作は、俳優トビー・マグワイアと、女優キルスティン・ダンストの主演で大きな人気を博した名作映画シリーズとなった。このトリロジー続編となる、サム・ライミ監督の映画『スパイダーマン4』は、全3作を上回る迫力のある名作になる可能性を秘めていた。

しかし、多くのファンはが存知の通り、この映画『スパイダーマン4』は残念ながら実現に至っていない。

実は、全3作の中で、ライミ監督は、映画『スパイダーマン3』を気に入っていない。それどころか”酷い”とまで評している。

映画『スパイダーマン3』では、ピーター・パーカーが謎の液状生命体「シンビオート」に寄生され「ブラック・スパイダーマン」として自分ではコントロールできない程の大きな力に翻弄される内容が描かれる。

ライミ監督は、本作にシンビオート/ヴェノムを登場させる予定ではなく、サンドマンとヴァルチャーという2人の悪役の登場を望んでいたと言われている。

しかし、ダークで力強い印象を持つヴェノムというキャラクターには、相当数の若年層ファンが存在していた。若年層のファンが増加すれば、スパイダーマン関連グッズの売り上げが伸びる可能性が高いとというソニー・ピクチャーズの意向があり、最終的にライミ監督の意見は押し切られてしまったのだ。

結果として、ライミは、自身がほとんど知らず、思い入れもない”ヴェノム”を無理して登場させることとなり、作シリーズ参入としては、予想よりも遥かに弱いものとなってしまった。にも関わらず、映画『スパイダーマン3』はソニー・ピクチャーズに大きな利益を生み、その額は約9億ドル(約1,341億円)となった。

そのため、映画『スパイダーマン4』の製作が決定。ライミは、3作目の時点で既に問題を抱えていたのに、4作目の製作準備が開始された。

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