映画『スパイダーマン4』のキャスト候補だった豪華俳優陣
映画『スパイダーマン4』の製作準備において、ライミ監督と親密に仕事をしていた人物がいる。それは、アート部門のジェフリー・ヘンダーソンだ。彼は、映画『スパイダーマン4』製作のため、ライミに引き抜かれた。
ヘンダーソンの話によると、1回目の会議で、ライミはアクションフィギュアを使いながら、脚本の内容を説明していた。当時のライミは、本作のプロダクション・デザイナーのデニス・ガスナーを含めた関係者の誰よりもこのプロジェクトに興奮していたという。
悪役はヴァルチャーになる予定であり、ライミ監督は俳優ベン・キングズレーに任せる予定だったが、最終的に俳優ジョン・マルコヴィッチがキャスティングされた。
また、ヴァルチャーには物語で重要な役割を果たす”娘”の存在が予定されていた。その娘役は、『スパイダーマン4』の企画が中止になるまで正式にキャストが決定することはなかったものの、ケイト・ベッキンセイルや、アン・ハサウェイ、アンジェリーナ・ジョリーなどが候補に挙げられていたという。
さらに注目したいのは、ライミの長年の親友で、映画『死霊のはらわた』シリーズ(1981〜)でも映画製作を共にする俳優ブルース・キャンベル。キャンベルは、映画『スパイダーマン』(2002)では、プロレスのアナウンサー役、映画『スパイダーマン2』(2004)ではクラブの従業員役、そして映画『スパイダーマン3』(2007)では、フランス料理店のウェイター役として「スパイダーマン トリロジー」の全作品にカメオ出演を果たしている。
もちろん、映画『スパイダーマン4』にも、キャンベル登場のアイデアが用意されていた。
一つ目のアイデアは、主人公のスパイダーマンが”ショッカー”、”プロウラー”、”スティルトマン”、”ライノ”といったスパイダーマン作品に登場する悪党達を、次々に一網打尽にするという、複数の映像の断片を組み合わせたモンタージュ映像の一部に登場するというもの。
最後にスパイダーマンは、敵キャラクターの一人であり、様々な機械装置を使用して戦闘を行う”ミステリオ”を警察署に連行。
”ミステリオ”の金魚鉢のような特徴的なヘルメットを取った際に、実はその中身がキャンベルであることが判明。「お前を捕まえてやる、スパイダーマン!」とキャンベルが叫ぶといった内容だ。
2つ目は、主人公のピーターが、自身の叔母であるメイおばさん(ローズマリー・ハリス)と一緒に夕食を取るため彼女の家に現れる。
ピーターが家のドアをノックすると、「あら、ピーター、今夜のことすっかり忘れてたわ」とメイの声が。ピーターは「大丈夫だよ、メイおばさん」と言い、家の中へと入ると、そこにはブルース・キャンベルの姿があるという内容だ。