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サム・ライミ監督降板の経緯とは?

トビー・マグワイア
トビーマグワイアGetty Images

残念なことに、映画『スパイダーマン4』でのサム・ライミ監督の降板は、ソニー・ピクチャーズからの妨害が原因であった。

ヘンダーソンの証言では、映画『スパイダーマン4』は、ブラックオプス(秘密作成)の兵士であるバルチャーが、罪を着せられて刑務所に送られるところから始まる。

一方、主人公のピーターはスパイダーマンとしてニューヨーク市を飛び回り、自身のヒーロー人生を謳歌していた。しかし、バルチャーは後に刑務所を脱獄し、自身が恐ろしい脅威である存在ということをスパイダーマンに見せつける。

その後映画後半での内容は紆余曲折を経て、ファンの予想外となる結末を迎え、ライミのスパイダーマン物語に決定的な幕が下ろされる、という構成だった。

2009年公開の映画『アバター』の大ヒットによって、そのトレンドに乗っかろうと考えたソニーは、映画の3D化を義務付け、ライミをジェームズ・キャメロン監督と3D製作についての相談するように促した。

ライミはソニーの行動に難色を示し、3Dはこれまで1フレームも撮影したことがなく、作品の3D化はプリプロダクション前に計画しなければならない内容だと主張した。

ライミの『スパイダーマン4』のビジョンは、元より時間が掛かるもので、ソニーが設定していた公開日に間に合わせることができないほどタイトなものだった。ソニーの要求は、ライミにとって、自身の作品の芸術性とソニーの商業的価値観との戦いに発展しつつあった。

しかし、『スパイダーマン3』で既に1度その争いを経験したライミは、もうソニーと正面から戦うつもりはなかった。そのため、すでに数百万ドルが費やされ、撮影セットも製作され、キャストもほぼ決定していたにもかかわらず、ライミはスタジオを去り、映画『スパイダーマン4』は製作打ち切りという結末を迎えた。

映画『スパイダーマン4』で公開される予定であった内容の一部は、その後の『スパイダーマン』シリーズに引き継がれ、ヴァルチャーは、映画『スパイダーマン:ホームカミング』(2017)で、俳優トム・ホランド演じるスパイダーマンの初の敵役となった。

映画『スパイダーマン4』は残念ながら実現することは叶わなかったが、後のリブートシリーズにも影響を残したことで、『スパイダーマン』全体にとって重要な存在となった。とはいえ、サム・ライミ監督によるトビー・マグワイア主演『スパイダーマン』の新作を、今でもファンが渇望しているのは無理からぬことだ。

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