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嘘で塗り固めた新しい自分と
レナードが迎える破滅的な結末

ダークナイトの現場で演出中のクリストファーノーランGetty Images

『フォロウィング』(1998)の主人公ビルや、『プレステージ』(2006)の若手マジシャンであるロバート・アンジェ、そして『インセプション』の主人公コブなど、ノーラン作品には「自分に嘘をつく」主人公が頻出する。

しかし、『メメント』は、ノーランと編集のドディ・ドーンの卓越した構成技法もあり、比較的理解できる作品に仕上がっている。特に、本作の場合は、時間の進み方に応じてモノクロとカラーで描き分けられており、観客が置いてけぼりにされることはない。

観客は、現在から過去、過去から現在と、まったく別のレナードの物語を提示され、レナードが新たなアイデンティティを構築していることを示唆される。そして嘘に嘘を重ねた結果、彼はテディを殺害するという破壊的な結論に至るのだ。

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