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孤高の映画作家「カール・テオドア・ドライヤー セレクション vol.2」12月23日公開決定! ポスター&予告編も解禁

text by 編集部

2021年に開催され好評を博した、世界映画史が誇る孤高の映画作家カール・テオドア・ドライヤー監督の特集第二弾「カール・テオドア・ドライヤー セレクション vol.2」が、12月23日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国にて開催することが決定した。併せて、ポスタービジュアルと予告編もご紹介する!

新たに加わる3作は一般劇場公開初!

「カール・テオドア・ドライヤー セレクション vol.2」

2021年に開催され好評を博した特集「奇跡の映画 カール・テオドア・ドライヤー セレクション」の第二弾。

今回は、前回上映された『裁かるゝジャンヌ』、『怒りの日』、『奇跡』、『ゲアトルーズ』の4作とあわせて、『ミカエル』、『あるじ』、『吸血鬼』の3作が新たに加わり、全7作品のラインナップとなった。

新たに加わる3作は、デジタルレストア素材からDCPを制作しており、一般劇場での公開は初めてとなる。

「カール・テオドア・ドライヤー セレクション vol.2」は、12月23日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次開催。

ポストカードセット付き4回券はシアター・イメージフォーラムにて販売中、近日中にメイジャー・ネット通販でも発売となる。

【カール・テオドア・ドライヤー Carl Theodor Dreyer】

カール・テオドア・ドライヤー

1889年2月3日、コペンハーゲンでスウェーデン人の母のもとに私生児として生まれる。経済的理由から養子に出され学校卒業後は通信電話会社勤務を経てジャーナリストとして活動、手掛けた映画評が大手映画会社の目に留まったことから脚本執筆を開始。

1919年に『裁判長』で監督デビュー、デンマーク・スウェーデン・ドイツ・ノルウェーと様々な国で制作を続け『あるじ』(25)のフランスでの大ヒットが『裁かるゝジャンヌ』制作へと繋がる。

しばしば困難に見舞われながらも、『奇跡』がヴェネチア国際映画祭の金獅子賞を受賞。切望していた「ナザレのキリスト」映画化実現を目前に控えた1968年3月20日に息を引き取る。享年79。

【カール・テオドア・ドライヤー セレクション vol.2 予告】

「カール・テオドア・ドライヤー セレクション vol.2」
12/23よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開!

【上映作品(製作年順)】

『ミカエル』 Mikaël
著名な画家のクロード・ゾレは、画家志望の青年ミカエルを養子に迎え、2人で豪邸に住んでいた。パーティーで出会ったザミコフ侯爵夫人の肖像画を引き受けるゾレだったが、彼女はミカエルを誘惑し、ミカエルもその美貌に魅せられてしまい…。

芸術家の孤独とミカエルへの愛、そして死を、耽美的に描いたサイレント時代の傑作。劇場での正式公開は今回が初となる。

監督・脚本:カール・テオドア・ドライヤー
原作:ヘアマン・バング
撮影:カール・フロイント、ルドルフ・マテ
舞台美術:フーゴー・ヘーリング
出演:ベンヤミン・クリステンセン、ヴァルター・シュレザーク
1924年/ドイツ/モノクロ/スタンダード/ステレオ/95分
(c) 2016 Friedrich-Wilhelm-Murnau-Stiftung

ミカエル
c 2016 Friedrich Wilhelm Murnau Stiftung

『あるじ』 Du skal ære din hustru
フランセン家の主人ヴィクトルは、家の中で暴君のように振る舞い、家事や育児で働きづめの妻イダに対して不平不満ばかり。そんなヴィクトルの態度を見かねた手伝いのマッス婆さんは、イダを実家に帰らせることに。妻のいない家に戻ったヴィクトルは…。

母国デンマークで撮ったユーモアとリアリズムが融合したホームドラマ。フランスなど世界で大ヒットとなった。

監督・美術:カール・テオドア・ドライヤー
脚本:カール・テオドア・ドライヤー、スヴェン・リンドム
原作:スヴェン・リンドム「暴君の失墜」
撮影:ゲオー・スネーフォート
出演:ヨハンネス・マイヤー、アストリズ・ホルム
1925年/デンマーク/モノクロ/スタンダード/ステレオ/107分
(c) Danish Film Institute

あるじ
c Danish Film Institute

『裁かるゝジャンヌ』 La Passion de Jeanne d’Arc
ジャンヌ・ダルクは百年戦争で祖国の地を解放に導くが、敵国で異端審問を受け司教からひどい尋問を受ける。自ら火刑に処される
道を選び処刑台へと向かっていくジャンヌの姿を捉えた、無声映画の金字塔的作品。

[本特集では2015年にゴーモン社によってデジタル修復された本編素材を使用。伴奏音楽はオルガン奏者のカロル・モサコフスキの作曲で、リヨン国立管弦楽団のコンサートホールのオルガンを用いて演奏・録音された。]

監督・脚本・編集:カール・テオドア・ドライヤー
歴史考証:ピエール・シャンピオン
撮影:ルドルフ・マテ
出演:ルネ・ファルコネッティ、アントナン・アルトー
1928年/フランス/モノクロ/スタンダード/ステレオ/97分
(c) 1928 Gaumont

「裁かるゝジャンヌ」
c 1928 Gaumont

『吸血鬼』 Vampyr
悪魔や吸血鬼の研究に没頭する青年アラン・グレイ。パリ郊外の村を訪れた彼は、奇妙な老人から託された小包に導かれるように、
とある古城にたどり着く。そこで老人が殺されるのを目撃し…。

そぎ落とされた台詞、数々の撮影トリック、そして緻密に重ねられた音響が、緊張感のある恐怖を作り出す。これは幻なのか、現実なのか。映画史上屈指の美しい悪夢体験を。

監督:カール・テオドア・ドライヤー
脚本:カール・テオドア・ドライヤー、クリステン・ユル
撮影:ルドルフ・マテ 音楽:ヴォルフガング・ツェラー
出演:ジュリアン・ウェスト(ニコラ・ドゥ・グンツブルグ)、モーリス・シュッツ
1931年/フランス=ドイツ/モノクロ/スタンダード/ドイツ語/ステレオ/74分
(c) Danish Film Institute

吸血鬼
c Danish Film Institute

『怒りの日』 Vredens dag
中世ノルウェーの村で牧師アプサロンと若き後妻アンネの夫婦は平穏に暮らしていた。しかし、前妻との一人息子マーチンが帰郷するとアンネと親密な関係に。そんな折アプサロンが急死し、アンネが魔女として死に至らしめたと告発を受けてしまう…。

陰影を巧みに使ったモノクロームの映像美で、魔女狩りが横行する時代の複雑に絡み合う関係性を映した衝撃作。

監督・脚本:カール・テオドア・ドライヤー
原作:ハンス・ヴィアス=イェンセン
撮影:カール・アンダソン
音楽:ポール・シアベック
出演:リスベト・モーヴィン、トーキル・ローセ
1943年/デンマーク/モノクロ/スタンダード/デンマーク語/モノラル/97分
(c) Danish Film Institute
<1974年ヴェネチア国際映画祭 審査員特別表彰>

怒りの日
c Danish Film Institute

『奇跡』 Ordet
ユトランド半島に農場を営むボーオン一家が暮らしていた。長男の妻で妊婦であるインガーはお産が上手くいかず帰らぬ人に。家族が悲嘆に暮れる中、自らをキリストだと信じ精神的に不安定な次男ヨハンネスが失踪、しかし突如正気を取り戻しインガーの葬儀に現れる。

カイ・ムンクの戯曲「御言葉」を原作に、演劇的目線で家族の葛藤と信仰の真髄を問う傑作。

監督・脚本:カール・テオドア・ドライヤー
原作:カイ・ムンク「御言葉」
撮影:ヘニング・ベンツセン
舞台美術:エーリック・オース
出演:ヘンリック・マルベア、ビアギッテ・フェザースピル
1954年/デンマーク/モノクロ/スタンダード/デンマーク語/モノラル/126分
(c) Danish Film Institute
<1955年ヴェネチア国際映画祭 金獅子賞|1956年ゴールデングローブ賞 最優秀外国語映画賞>

奇跡
c Danish Film Institute

『ゲアトルーズ』 Gertrud
弁護士の妻であるゲアトルーズは夫との結婚生活に不満を抱き、若き作曲家エアランとも恋愛関係にある。ある日、彼女の元恋人
であり著名な詩人ガブリエルが帰国し祝賀会が催され、ゲアトルーズはエアランの伴奏で歌唱するが卒倒してしまう。

愛を探し求め続けたゲアトルーズの姿を完璧な様式美の画面におさめ会話劇に徹したドライヤー遺作にして集大成的作品。

監督・脚本:カール・テオドア・ドライヤー
原作:ヤルマール・セーデルベルイ
舞台美術:カイ・ラーシュ
衣装:ベーリット・ニュキェア
出演:ニーナ・ペンス・ローゼ、ベント・ローテ
1964年/デンマーク/モノクロ/ヴィスタ/デンマーク語/モノラル/118分
(c) Danish Film Institute
<1965年ヴェネチア国際映画祭 国際映画批評家連盟賞>

ゲアトルーズ
c Danish Film Institute

「カール・テオドア・ドライヤー セレクション vol.2」
12月23日(土)より、シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開
配給:ザジフィルムズ
公式サイト

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