IMAX社のCEO歓喜…? クリストファー・ノーラン監督最新作『オッペンハイマー』IMAXの四半期業績を押し上げる!
クリストファー・ノーラン監督による最新作『オッペンハイマー』は「原爆の父」と呼ばれるロバート・オッペンハイマーの伝記映画で、オッペンハイマー自身の一人称から全て構成された内容が注目を集めている。そんな本作の人気は、IMAX社の業績向上にも大きく貢献しているようだ。アメリカの芸能誌Varietyを参考に、本作が打ち立てた歴史的な記録と、IMAX社の快進撃について紹介する。
「これ以上ないほど満足」
IMAX世界興行収入歴代2位を記録
IMAX社の快進撃が止まらない。
2023年の第3四半期決算で、同社の世界興行収入が歴代2位を樹立したのだ。具体的には、IMAXの直近四半期の売上は51%増の1億390万ドル(約156億円)に跳ね上がり、売上総利益率は98%増の6,270万ドル(約92億円)で、調整後の一株当たり利益は35セントに増加。この数字はウォール街の予測をも上回っている。
また、9月までの3ヶ月間に拡大し、2022年第3四半期の17システムに対し30システムを設置。同社株価は好決算を受けて時間外取引で3%以上上昇している。
こういった好況の直接的な要因は、なんといってもIMAXカメラで撮影された『オッペンハイマー』の人気だろう。
監督であるノーランは、昨夏のプレスツアーでこのIMAXカメラでの撮影に言及。IMAX会場の世界的なチケット売上1億8,000万ドル(約269億円)に貢献するとともに、同社の最新業績を押し上げたようだ。
また、ノーラン監督の映画『オッペンハイマー』だけではなく、中国で公開された『封神第一部:朝歌風雲(Creation of The God:Kingdom of Storms)』(2023)や、映画『孤注一擲(No more bets)』(2023)、インドで公開された映画『Jawan』(2023)などの映画作品も予想されていた興行成績を上回った。
同社CEOのリチャード・L・ゲルフォンド氏は「第3四半期の業績は、予算対比、過去の業績対比、そしてメディアとエンタテインメントのダイナミックなビジネス環境など、どの指標でも目を見張る結果となりました」
「ハリウッドの超大作から現地言語のローカル映画、コンサート映画、ドキュメンタリー、ライブイベントまで、私たちはIMAX社の歴史上最も強力で多様なコンテンツ・ポートフォリオを編成してきました。このグローバルなネットワークの結果には、これ以上ないほど満足しています」と述べている。
また、ビヨンセのワールドツアー『ルネッサンス』の映画化作品が12月に公開されることにも胸を高鳴らせており、「コンサート映画は、IMAXの視覚・音響・ライブ機能に非常に適したジャンルで、私たちのパワーをさらに高めてくれます」と興奮気味に語っている。
同氏は、テイラー・スウィフトのコンサート映画『テイラー・スウィフト: THE ERAS TOUR』(2023) とマーティン・スコセッシ監督の映画『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』(2023)のパフォーマンスについても言及。同社では現在ストライキに伴っていくつかのスタジオで主要作の公開を延期しているが、同氏は比較的楽観的な見方を示しているようだ。
テイラー・スウィフトやビヨンセなど、世界的に有名なアーティストのコンサート映画作品となれば、ドラマ、コメディ作品などと比べ、IMAXでの映画視聴の増加が予想できるだろう。今後は、同社の作品をきっかけに、コンサート映画が世界を席巻する可能性もある。
同社の更なる躍進に期待したい。
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