『ファイト・クラブ』【ネタバレあり】あらすじ
だだっ広く廃れたタイラーの屋敷で共生することになった2人は、たびたび地下にある駐車場に足を運び、欲望のままに殴り合う。すると、徐々に野次馬が集まりはじめ、殴り合いの参加者が増えていく。
毎週土曜日に行われる殴り合いは「ファイトクラブ」と名付けられ、欲求不満の日々を送る男たちから、絶大な人気を博すようになった。
ガン患者の集いに姿を見せなくなった「僕」のことが気になったマーラは、タイラー邸を訪れる。マーラの出現に驚いた「僕」がワケを聞くと、彼女は何も言わず去る。
タイラーはマーラと肉体関係を持ったと明かし、「僕」の存在も気にせず、両者は度々セックスにふけるようになる。そんな中、「僕」の自宅が爆発した原因が判明する。自宅は何者かによって爆破されたのだった。
「ファイトクラブ」の参加者は右肩上がりに増えていく。参加者の中には、ガン患者の集いで出会ったボブ(ミート・ローフ)もいる。
すっかり「ファイトクラブ」の教祖となったタイラーは、「宿題」と称して、参加者に様々なミッションを課すようになる。さらに、タイラーは参加者の中でもとりわけ寡黙で屈強な者を集め、「スペースモンキー」という名の自警団を組織し、家に住まわせるようになった。
やがて街では「スペースモンキー」による破壊行為が横行しはじめる。これら全てはタイラーの独断的な行動であり、それを不満に思った「僕」は抗議の意を示す。2人はタイラーが運転する車内で激しい口論を繰り広げる。口論の末、車は前方車に衝突し、大破する。
昏睡状態から目を覚ました「僕」はタイラー邸にいる。タイラーの姿はなく、部屋は「スペースモンキー」でごった返している。マーラが訪れるも、タイラーの不在を告げると、肩を落として帰っていく。
そんな矢先、警察との銃撃戦で足を負傷した「スペースモンキー」の構成員が帰ってくる。彼によるとボブは頭を撃たれ即死したという。
「スペースモンキー」の暴走に恐れをなした「僕」は、タイラーを探すため国内を飛び回る。タイラーを捜索する過程で、「ファイトクラブ」が全国に点在していることを知る。ある時、見知らぬバーの店長からタイラーと間違えられ、「僕」は驚くのだった。
「僕」はホテルに戻ると、そこにタイラーが現れる。タイラーは「僕」が生み出した妄想であり、飛行機内での出会いも駐車場での殴り合いもすべて「僕」の一人芝居であったと告げる。そして、事情を深く知りすぎたマーラの殺害を示唆する。
「僕」がタイラー邸に戻ると、「スペースモンキー」の姿が見えない。彼らは大挙して大企業が居を構えるビルを爆破しようとしているのだった。
「僕」はマーラと共に警察に駆け込み、「スペースモンキー」の計画を阻止しようとする。しかし、応対した警官も「スペースモンキー」の一員であり、2人は命を狙われる。
なんとか警官の追跡をかわすと、ビルの地下駐車場で爆弾を発見。しかし、眼前に再びタイラーが訪れ、「僕」を殴って気絶させる。駐車場の監視カメラには、床に身を打ちつける「僕」の一人芝居の様子が映っている。
タイラーに銃を突き付けられた「僕」は、ハッと気づくと自身の口の中に銃口を突っ込んでおり、発砲するとタイラーの姿は消える。
顔面に酷い怪我を負ったものの、一命を取り留めた「僕」は、「スペースモンキー」に連行されていたマーラと再会。手をつなぐ2人の背景では、高層ビルが次々と崩壊していくのだった。