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著名人によるコメント到着

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★アンジェリーナ1/3(Gacharic Spin)

人が人として生きていくために国を超えて人種を超えて大切な事が詰まっている映画。そもそも人1人の命の価値に違いがあるわけがない。この映画を観た方々が小さくてもいい、愛を持って自分を大切に相手を大切にできるような世界でありますように。

★ISO(ライター)

「闇では闇を追い払えない 光だけがそれを可能にする憎しみでは憎しみを追い払えない 愛だけがそれを可能にする」キング牧師のこの言葉を一人の母の物語が立証する。息子の尊厳と正義のために社会と対峙したメイミーの勇姿は、公民権運動を加速させ未来を変えた。その真実を映すこのフィルムは、世界に蔓延る憎悪に立ち向かうただ一つの方法を教えてくれる。

★伊藤なつみ(音楽ジャーナリスト/アメリカ文学)

母親メイミーが自分の見た息子の姿を世に知らしめようと決意し、悲しみから正義のために立ち上がる。意志の強さが増すほどに美しさも増していくその姿は、多くの女性にとってまさにエンパワーメントそのもの。事実を目にすることが増えても、見るばかりでは何も変わらないという絶望にも直面している今、前に踏み出そうとする人々に勇気を与えてくれる映画である。

★奥浜レイラ(映画・音楽パーソナリティ)

レイシズムの理不尽さ、惨さを逃げずにとらえ白日の下にさらす。劇中の「見ないと」というセリフはそのまま私たちに返ってくる。この物語は限られた個人に起きた悲劇ではなく、構造的な差別の末路である。つまり私たちも無関係ではない。互いに敬意を持つには、まずは事実を正しく知ることだ。こんなことはもう終わりにしたい。

★辛酸なめ子(漫画家)

差別されても誇り高く生きようとする姿が胸を打ちます。母の愛の力、そしてファッションの力にも感動する名作です。

★辻愛沙子(クリエイティブディレクター)

1955年に起こった衝撃的な事件。同じ人間の尊い命が、肌の色が違うというだけでいとも簡単に奪われ、正当化された当時の社会。そこから70年が経ち、現代を生きる私たちは一体何を学び変えてこれたのだろうか。たったひとりの声で、時代が、社会が、動き出す。声を上げることの意味を、強く考えさせてくれる物語。

★堂本かおる(ニューヨーク/ハーレム在住フリーランスライター)

1955年。14歳の黒人少年エメット・ティルが惨殺された。BLM(ブラック・ライブス・マター)という言葉さえなかった時代に母メイミーは独りで立ち上がり、黒人の命の尊さをアメリカに教えた。

★新田啓子(立教大学・アメリカ文学)

想像を絶する悪意に無邪気な息子を奪われた母。損傷し膨れあがった遺体に語らせ、母は少年の時間を再生させる。死の不安に満ちた時間から、生を愛しむための時間へと。我々の時間? レイシズムは文化だと言い訳するのはやめないと。人種差別は歴史の所産? だから仕方がないとは言わせないのがティルの時間——我々の時間。

★ヒグチユウコ(画家)

作品を観た後どの場面を描こうか…と思った時に選んだのは愛する息子を目にした最後の瞬間です。彼女の名演技はもっと評価されるべきだと思う。

イラストヒグチユウコ

★ピーター・バラカン(ブロードキャスター)

長年続いたアメリカの人種分離体制。多くのアフリカン・アメリカンが無力だった中で、特におぞましい事件で息子を奪われた一人の母親が立ち上がるその実話は我々全員に対して、社会の一員としてやるべきことを問うています。

★藤永康政(昭和女子大学 教授)

映画『ティル』は、残忍な殺人事件の話ではなく、レイシズムに決死の覚悟で挑みかかる黒人たちの姿を描いたドラマです。その姿は人びとの心を揺さぶり、映画の終わりには救われた感覚が残るはずです。

★松尾潔(音楽プロデューサー・作家)

白人女性に向けて口笛を吹いたかどで、黒人少年が白人集団に殺される。重すぎる「不敬罪」である。自分なら口笛は吹かない、自分なら殺さない……穏当だが、それでは不敬罪も差別もなくならない。「声を上げる」は生き方。「ダンマリ」は世渡り。小ざかしい静観がはびこる社会では、理不尽はいつまでも残る。踏まれても蹴られても、折れない言葉と行動が世界を変える。

【解説:エメット・ティル殺害事件が及ぼした現代社会への影響】

1955年8月28日にアメリカ合衆国ミシシッピ州マネーで実際に起きた「エメット・ティル殺害事件」は、アフリカ系アメリカ人による公⺠権運動<※1>を大きく前進させるきっかけとなったことで知られている。

14歳黑人少年エメットが白人女性に対して「口笛を吹いた」という理由で拉致され、激しいリンチを受けて殺されたあげく、遺体は川に投げ捨てられた。愛息を失った底知れぬ絶望を胸に、多くの黑人
の生活を脅かすアメリカ社会にたった一人で立ち向かった母メイミーの大胆な行動力は人々に勇気を与え、キング牧師らが率いた公⺠権運動を一気に加速させる原動力となったのである。

そして21世紀に入り、2020年「ジョージ・フロイド殺害事件」<※2>を契機に、BLM(ブラック・ライヴズ・マター)運動<※3>がアメリカ国内のみならず、SNSを通じて日本を含む全世界に拡大したことは記憶に新しい。黑人をはじめ著名人、セレブ、Z世代にいたるまで実に多くの人々が声を上げた大規模なこの抗議運動のうねりは、2022年3月、人種差別に基づくリンチを連邦法の憎悪犯罪(ヘイトクライム)とする「エメット・ティル反リンチ法」成立へと繋がっていくのである。

※1:1950年代〜1960年代に活発となったアメリカの黑人の基本的人権を要求する運動
※2:2020年5月25日、ミネソタ州ミネアポリスで白人警官が、路上で黑人男性フロイドさんの首を9分29秒間、膝で押さえつけ死亡させた。
※3:2013年にアフリカ系アメリカ人コミュニティから始まった構造的な人種差別や黑人への暴力、特に警察による黑人への暴力と戦う国際的な社会運動

【作品情報】

製作:ウーピー・ゴールドバーグ(『天使にラブ・ソングを…』)、バーバラ・ブロッコリ(『007』シリーズ)
監督・脚本:シノニエ・チュクウ
出演:ダニエル・デッドワイラー、ウーピー・ゴールドバーグ、ジェイリン・ホール、ショーン・パトリック・トーマス、ジョン・ダグラス・トンプソン、ヘイリー・ベネット
2022年/アメリカ/シネマスコープ/130分/カラー/英語/5.1ch/原題『TILL』/字幕翻訳:風間綾平/PG-12/
配給:パルコ ユニバーサル映画 © 2022 Orion Releasing LLC. All rights reserved.
公式サイト
公式Xアカウント:@TILL_MOVIE1215

12/15(金)よりTOHOシネマズシャンテほか全国ロードショー!

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