ホーム » 投稿 » 海外映画 » 劇場公開作品 » リドリー・スコット監督。映画『ナポレオン』リドリー・スコット監督が明かすマル秘エピソード&メイキング写真公開

リドリー・スコット監督。映画『ナポレオン』リドリー・スコット監督が明かすマル秘エピソード&メイキング写真公開

text by 編集部

アカデミー賞俳優ホアキン・フェニックスが主演をつとめ、リドリー・スコット監督が手がける今世紀最大級のスペクタクル超大作。映画『ナポレオン』が大ヒット上映中だ。この度、リドリー・スコット監督が明かしたナポレオンのマル秘エピソードや“ロケセット”にまつわる撮影秘話とあわせて、メイキング写真が公開された。

ホアキン・フェニックスが主演映画『ナポレオン』大ヒット公開中

ホアキン・フェニックス主演、リドリー・スコット監督による映画『ナポレオン』(ソニー・ピクチャーズ配給)が大ヒット上映中!

監督は、アカデミー賞®作品賞受賞の『グラディエーター』や『オデッセイ』などを手がける巨匠リドリー・スコット。主人公ナポレオン役には『ジョーカー』でアカデミー賞®主演男優賞を受賞したホアキン・フェニックス。

この二人のタッグはホアキンが、ラッセル・クロウ演じるローマの将軍マキシマスと対峙する暴君を演じた『グラディエーター』(2000)以来23年ぶりとなる。

ナポレオンの妻ジョゼフィーヌ役には、『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』のホワイト・ウィドウ役や『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』など次々と話題作に出演する、アカデミー賞®ノミネート俳優ヴァネッサ・カービー。

脚本は『ゲティ家の身代金』でもスコット監督とタッグを組んだデヴィッド・スカルパなど、超一流のキャストとフィルムメイカーが集結した。

撮影カメラ11台、集められたエキストラ総勢8000人、莫大な製作費をかけてヨーロッパロケを敢行した<今世紀最大級>のスペクタクル超大作だ。

この度、リドリー・スコット監督が明かした、泣く泣く削った衝撃のマル秘エピソード、そしてこの歴史大作を作る上で最も重要な“ロケセット”にまつわるエピソードをメイキング写真と共にご紹介する。

ご愁傷様です!ナポレオン、痔に苦しむ リドリー・スコット監督がボツにしたマル秘エピソード

「ナポレオンがワーテルローの戦いの日にひどい痔の症状に苛まれなかったら、歴史は変わっていたかもしれません。」

『ナポレオン』は世界各国に続いて12月1日(金)からいよいよ日本でも公開され、洋画初登場1位でのスタートを切るなど大ヒットとなっている。

英雄か、悪魔かーー妻・ジョゼフィーヌとの愛憎関係とともに将校からやがて皇帝へと上り詰めるナポレオンの栄華と没落の生涯が描き出されるスペクタクル超大作なのだが、リドリー・スコット監督は思いもよらないエピソードを披露してくれた。

「歴史上最も有名な戦いの一つであるワーテルローで、ナポレオンはトイレに座っていました。外では雨が降っている。彼は用を足し、トイレの中を見てみると、血が出ている・・・その後、彼は冷や汗をかきながら、痔に苦しみながら、その日の戦いをこなしました。脚本家のデヴィッド(・スカルパ)は、“これはちょっとみっともなくないか?”と言いました。私は“多分ね、でも正確な描写だ”と答えました。しかし、結局邪魔になったので、外しましたが」

スコット監督がどのようにナポレオンという人物を描きたかったのか、このエピソードから知ることができるだろう。戦の勝利はあれど英雄らしくなく神経質で冷淡、妻の不貞に激昂するものの彼女に執着しており、どこまでも“人間”が持つ複雑さを持った人物として描いている。

それにしても、このエピソードが実現していたとしたら・・・

ロケセット秘話!時代も国も超える熟練の映像マジック!

スコット監督の指示で、『ナポレオン』の画づくりには有名な絵画にも影響と指針を求めた。それがわかりやすいのはダヴィッドの「皇帝ナポレオン一世と皇妃ジョゼフィーヌの戴冠式」だろう。

「時代物の映画を作る時はいつでも自然光を使います。今回私たちはフロントライトを多用しました。フロントライトは、ダヴィッドの絵画のように常にナポレオンに光が当たります。主人公はより明るく照らされ、他の人たちは影の中に潜みます」

撮影監督のダリウス・ウォルスキーは、もちろん映画のそれぞれの設定がシーンの照明にも影響を与えると述べる。

「エジプトは非常に明るく厳しい光で、輪郭が浮かび上がっています。ロシアは霧がかっていて抑えめで、常に薄明かりの中、雪に覆われ単色のように見えます。それから豪勢な宮殿はすべてが金色で豪華です」

そして歴史大作を撮影する上でもう一つの大切な要素。ナポレオンの人生の背景となった宮殿や大邸宅を表現できる場所だ。プロダクション・デザイナーのアーサー・マックスがイギリスで多くの新古典主義建築を探し出した。

大規模撮影において遠隔地に製作を移すのではなく、ロンドンから近い距離にとどまることを選ぶことが多いのだが、『ナポレオン』の撮影では何度かそれに抗えないことがあった。

「ボートン・マナーは、ロンドンから車で3時間ほどのノーサンプトンシャーにあります。フランス建築を愛したイギリス人の親仏家によって18世紀に建てられました。まるでフランスの城のようで、何百エーカーもの美しい敷地に羊や馬が放牧され、いたるところに美しいオークの古木があります。そのような特別さから、ここをナポレオンの城として使うことを決めたのです」とマックスは語る。

その城で、ある部屋にとても特別な家具を置くことができたのだが・・・「ヴィクトリア&アルバート博物館からベッドを借りることができました。そのベッドには1メートル以内に近づくことさえ許されませんでした。とても壊れやすいものだったのです」とマックスは振り返る。そんな超貴重なベッドが・・・

「ラブシーンに使って良いかと尋ねたのですが、彼らは私たちがその質問をしたこと自体にショックを受けていました」と衝撃のエピソードを明かしてくれた。

製作陣は、ナポレオンが皇帝としてフォンテーヌブロー宮殿とチュイルリー宮殿に滞在するシーンや、その他いくつかの外観をブレナム宮殿で撮影するために、オックスフォードシャーに移動。

「新古典主義のパッラーディオ様式の建物で、そのスケール、素材、何をとっても素晴らしいものでした。そしてナポレオンがパリに向かったりモスクワから戻ったりする場面で、外観をさまざまな角度からいくつかの異なる国のものとして使うことができると気づきました。一体どうやったら違うように見えるのかと思うでしょう。しかし家具を動かしたり、照明やアングル、カメラレンズを変えたりすれば、それは可能です。リドリーは経験豊富なため、彼にとっては容易なことなのです」と映像マジックの種明かしをしてくれた。

『ナポレオン』のロケ地は、サリー州のボーンウッドやマルタのリカソリ砦など『グラディエーター』でも多く使われた地であったため、スコットや彼のコラボレーターたちにとっては馴染みのある場所だったのだという。「とても居心地がいいのです。以前と同じエリアや空間をたくさん使いましたが、やり方はかなり違いました」とのことなので、さまざまな映画と見比べてみても面白いかもしれない。

歴史に名を刻むフランスの皇帝ナポレオン
【英雄】と呼ばれる一方で、【悪魔】と恐れられた男――。

1789年。自由、平等を求めた市民によって始まったフランス革命。マリー・アントワネットは斬首刑に処され、国内の混乱が続く中、天才的な軍事戦略で諸外国から国を守り皇帝にまで上り詰めた英雄ナポレオン。

最愛の妻ジョゼフィーヌとの奇妙な愛憎関係の中で、フランスの最高権力を手に何十万人の命を奪う幾多の戦争を次々と仕掛けていく。冷酷非道かつ怪物的カリスマ性をもって、ヨーロッパ大陸を勢力下に収めていくが――。

フランスを<守る>ための戦いが、いつしか侵略、そして<征服>へと向かっていく――。彼を駆り立てたものは、一体何だったのか?

【作品情報】

タイトル:『ナポレオン』
原題:Napoleon
日本公開表記:12月1日(金)全国の映画館で公開
US公開日:11月22日予定
監督:リドリー・スコット(『グラディエーター』『オデッセイ』)
脚本:デヴィッド・スカルパ(『ゲティ家の身代金』)
出演:ホアキン・フェニックス(『ジョーカー』『グラディエーター』)、ヴァネッサ・カービー(『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』)、タハール・ラヒム(『モーリタニアン 黒塗りの記録』)、ルパート・エヴェレット(『アナザー・カントリー』)

【関連記事】
杉咲花の“凄まじい表情”はどのようにして生まれたのか? 映画『市子』戸田彬弘監督、単独インタビュー
『ゴジラ』を超える“究極の反戦映画”…大人が夢中になるワケ『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』徹底考察&評価。忖度なしガチレビュー
原作を大胆アレンジ…日本社会に向けたメッセージとは? 映画『隣人X -疑惑の彼女-』徹底考察&評価。忖度なしガチレビュー

error: Content is protected !!