1.どこかノリきれない登場キャラたち
どんな「願い」でも叶えてくれるというマグニフィコ王が治めるロサス王国。そこで暮らす17歳の娘アーシャは、あることがきっかけでマグニフィコの欺瞞に気づき、仲間たちと共に立ち上がるのだが、そもそもこの物語の展開がワクワクしない。
主人公のアーシャは理想主義者でスジは通っているのだが、恋もしなけりゃ、可愛気もないアクティビストのようなキャラ造形なのでどうにもノレない。意識高い系の若者が、その理想に心酔して行動しているように映り、手放しで応援できないのだ。
ヴィランであるマグニフィニコ王は確かに嘘つきだが、より現実的で、自分が作った国と民のためにどうすればいいか清濁合わせ飲んで考えているように思えて、よっぽど人間味がある。
サブキャラたちも、どこかクセがある。
ディズニーアニメ定番の“主人公にくっついてくるペット枠”として、子ヤギのバレンティノが出てくるが、その造形と動きは、まさに伝統を受け継いだ可愛いさに溢れている。黄色いセーターも特徴的で愛らしい。しかし、願いが叶って喋り出すと声がオッサンという設定で、急に魅力が無くなってしまう。
空から降ってくる「スター」は、動きは可愛いのだが、水彩画のようなタッチの世界感からは明らかに浮いていて、任天堂の某キャラとコラボしているようにしか見えてしまう。