ホーム » 投稿 » 海外映画 » レビュー » ヒロインはひどい? 女性目線で観ると評価が変わる? 映画『(500)日のサマー』徹底考察。凄い脚本術&名言と音楽も解説 » Page 7

監督の選曲センスが光る楽曲ー音楽の魅力

マーク・ウェブ監督
マークウェブ監督Getty Images

本作の音楽の選曲にも、ミュージックビデオ監督として名を馳せたウェブのセンスが溢れている。以下では、主題歌を含め、いくつかの楽曲を紹介しよう。

まずは冒頭、トムとサマーのこれまでの人生を振り返る映像とともに流れるのは、レジーナ・スペクターの「Us」だ。アップテンポで間断なく続くピアノの音色とレジーナの伸びやかな歌声が印象的なこの曲は、本作の「夏の始まり」にふさわしい胸がときめくような曲になってる。

トムたちが街の人々と歌い踊るミュージカルシーンで流れる曲は、ダリル・ホール&ジョン・オーツの「You Make My Dreams」。

映画『ウェディング・シンガー』(1998年)などでも使われた曲で、小気味よいギターのリズムでトムの高揚感を表現している。

また、トムとサマーが散歩するシーンや、別れた後に電車で出会い寒暖するシーンで流れる曲は、オーストラリアのインディーロックバンド、ザ・テンパー・トラップの「Sweet Disposition」。開放的な曲調と伸びやかなボーカルが爽やかで、2人の門出を期待させる音楽に仕上がっている。

そして、エンディングで流れる曲は、イギリスのインディーロックバンド、マムラの「She’s Got You High」だ。しっとりとしたアコースティックギターの音色が、新たな「秋の訪れ」を感じさせる曲に仕上がっている。

【関連記事】
恋愛映画の超名作…実はバッドエンド? 映画『ローマの休日』考察。オードリー・ヘプバーン演じるアンはどこの王女? 徹底解説
映画『恋する惑星』タランティーノ絶賛の恋愛映画。魅力が凝縮された4つの使用楽曲を解説<あらすじ 考察 評価 レビュー>
映画「花束みたいな恋をした」麦と絹の破局の決め手とは? 共感指数100%の恋愛映画<あらすじ 解説 考察 キャスト>

1 2 3 4 5 6 7