映画監督デビュー後わずか7年で三大映画祭を席巻したブリランテ・メンドーサ監督最新作映画『FEAST-狂宴-』3月1日公開
フィリピン映画界の鬼才ブリランテ・メンドーサ監督最新作映画『FEAST -狂宴-』は、フィリピンの田舎町で巻き起こった交通死亡事故から始まる当事者家族同士の心の機微と赦しをテーマに描くドキュドラマ。今回は「ファウンド・ストーリー」と呼ばれるメソッドを用いて撮影された本作と、メンドーサ監督作の魅力を解説する!
映画監督デビュー後わずか7年で三大映画祭を席巻!
フィリピン映画界の鬼才ブリランテ・メンドーサ監督最新作
45歳で映画監督デビューし、7年でカンヌ、ベネチア、ベルリンの世界3大映画祭すべてで受賞したフィリピンの映画監督ブリランテ・メンドーサ。
彼の映画作法は独特で、俳優に脚本を渡さず撮影現場で討議して最高のセリフを見つけていく「ファウンド・ストーリー」と呼ばれるメソッドを用いて撮影される。
ときに人物の声が聞き取れないほど街の雑踏や自然の環境音をすべて採録する臨場感にあふれた「ノイズ主義」の手法。そしてデジタル時代の申し子といえる軽量小型の機材を駆使してスラムの細い路地に手持ちカメラで縦横無尽に入っていく「荒れ・ブレ・ボケ」の撮影美学。
メンドーサ・マジックと称されるこうした独自の映画術のもと、数々の傑作・問題作が世に送り出されてきた。
徹底したリサーチに始まり、事前のリハーサルもほとんどなく、長回しすることによって、リアルな映像を追及する。ドキュメンタリーばりの臨場感とともに登場人物たちの心情を映し出す彼の作品は「ドキュドラマ」というカテゴライズにされることが多い。
そして今回、ブリランテ・メンドーサ監督最新作『FEAST-狂宴-』は、フィリピンの田舎町で巻き起こった交通死亡事故から始まる当事者家族同士の心の機微と赦しをテーマに描く。
しかしただのハートフルムービーではなく、ストーリーは次々と観るものの予想を裏切る展開を見せ、抒情的な映像の奥で、大きな疑問符をわれわれ観客に突きつける。
【あらすじ】
息子が起こした交通事故の罪を被り、刑務所に収監されていた家族の長の帰還を祝う宴の準備が進められている。収監されている間、妻と息子は、協力しあって家族と家計を守り、亡くなってしまった男の妻と子供たちを引き取り使用人として面倒を見ていた。
しかし、宴の日が近づくにつれて後ろめたさと悲しみが再びあらわれ、「失った者」と「失わせた者」との間の平穏はかき乱されていく…
映画『FEAST-狂宴-』3月1日(金)より
ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国公開
監督:ブリランテ・メンドーサ
脚本:アリアナ・マルティネス
撮影:ラップ・ラミレス
美術:ダンテ・メンドーサ
編集:イサベル・デノガ
音楽:ジェイク・アベラ
出演:ココ・マーティン、ジャクリン・ホセ、グラディス・レイエス、リト・ラピッド
2022 年/香港/タガログ語、パンパンガ語/104 分/シネスコ/原題:Apag(英題:FEAST) PG-12
後援:フィリピン政府観光省 配給・宣伝:百道浜ピクチャーズ https://www.m-pictures.net/feast/
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