名作『ベン・ハー』が64年前に樹立していた記録とは?
米国を代表する映画監督ウィリアム・ワイラーの映画『ベン・ハー』(1959)は、1960年のアカデミー賞を席巻し、作品賞を受賞。ワイラー監督にとって3度目となるアカデミー監督賞を獲得した。
王族イタマールの息子であり裕福なユダヤ貴族の若者ユダ・ベン・ハーを力強く演じた俳優チャールトン・ヘストンは、主演男優賞を受賞。アラブの富豪イルデリムを演じた俳優ヒュー・グリフィスは、助演男優賞を受賞した。
同年のアカデミー賞で、本作は作品賞・監督賞・主演男優賞・助演男優賞をはじめ11部門のオスカーを受賞。この記録は史上最多記録となり、その後長く続き、映画『タイタニック』(1997)、映画『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』(2003)がようやく同じ11部門受賞で並ぶこととなった。
しかし依然としてアカデミー賞の史上最多受賞作品の一つであることは変わらない。
3人の帰還兵と家族たちの日々を温かく描いた第二次世界大戦後のアメリカを痛切に表現した映画『我等の生涯の最良の年』(1946)も、同じくワイラー監督がメガホンを取り、アカデミー監督賞を受賞した作品だ。
同作は作品賞を受賞し、3人の帰還兵のうち2人の俳優も賞を受賞。
アル・スティーヴンソン役を演じた俳優フレドリック・マーチはアカデミー主演男優賞を獲得し、ホーマー・パリッシュを演じた俳優ハロルド・ラッセルは、戦争で両手を失った退役軍人が市民生活に適応していく姿を真正面から演じたことで大きな注目を集め、助演男優賞を受賞した。
また、レオ・マッケリー監督の映画『我が道を往く』(1944)は作品賞を受賞し、マッケリー監督は監督賞を受賞している。
さらに主演を務めた俳優ビング・クロスビーは、副神父として派遣されたチャック・オマリー神父役を好演し、アカデミー主演男優賞を受賞。 老神父フィッツギボンを演じた俳優バリー・フィッツジェラルドは、アカデミー助演男優賞を受賞した。
映画『オッペンハイマー』は、歴代4番目となり1960年以降では初となる記録を新たに達成。これはアカデミー賞11部門を受賞する伝説の映画『ベン・ハー』と比較される程の歴史的な快挙となっている。
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