女性たちを主人公とした魔法のような映像美を生み出す【ジャック・リヴェット傑作選2024】開催決定! 予告&ビジュアル解禁
鮮やかで魔法のような映像世界で観客を魅了し続けてきたフランスの巨匠ジャック・リヴェットの傑作三本がデジタルリマスター版でスクリーンに蘇る【ジャック・リヴェット傑作選 2024】が、4/19より全国順次ロードショーされる。そこで今回は、メインビジュアルと上映スケジュールを公開。予告編と中条省平氏によるコメントも到着した。
ヌーヴェル・ヴァーグ随一の華麗なる映像世界
謎に満ちあふれた映画の扉がいま再び開かれる
1991年に『美しき諍い女』で第44回カンヌ国際映画祭審査員グランプリを受賞、80歳を過ぎても精力的に活動を続けていたジャック・リヴェット監督。
今年2月のセザール賞授賞式で、フランス映画界の性加害を告発してきた女優ジュディット・ゴドレーシュがスピーチの最後に、リヴェットの『セリーヌとジュリーは舟でゆく』の台詞を引用したことも記憶に新しく、今も世界中のアーティストや映画ファンたちに絶大な支持を集めている。
この度、2022年に開催した【ジャック・リヴェット映画祭】に続き、貴重な三作品『地に堕ちた愛 完全版』『彼女たちの舞台』『パリでかくれんぼ 完全版』を全作品4Kデジタルリマスターによる修復版で公開決定!
多彩なエネルギーがあふれだすリヴェットの映像世界に浸る楽しみを、ぜひ劇場で堪能してほしい。
【中条省平(フランス文学者、学習院大学教授)コメント】
ジャック・リヴェットこそヌーヴェル・ヴァーグの発火点だ、とトリュフォーは言った。
リヴェットは自分の長編第1作を『パリはわれらのもの』と名づけた。リヴェットのパリは、ヌーヴェル・ヴァーグで唯一の神秘都市
だ。華やかな風景で観客の目を奪うが、その外見の下に、幻想世界の淵が開く。主な登場人物は、パリをさまよう美しい妖精のような娘たち。彼女らは、神秘都市の舞台で、細く敏捷な体に、目も絢な衣装をつけて、自分という役を探求する役者なのだ。
だが、パリではいつも怪しい陰謀が舞台を包みこむ。彼女らは、仲間と手を組んで、その陰謀の謎を解こうと奔走する。こうして、リ
ヴェットの映画は予想もつかない冒険ミステリーとなる。
『地に堕ちた愛』の異界に通じる館、『彼女たちの舞台』の閃光のような列車、『パリでかくれんぼ』の突然階段で踊りだす娘たち……。
あらゆる細部が、純粋な映画の快楽で私たちを魅了する。
【予告編】
ジャック・リヴェット傑作選4/19(金)〜5/9(木)
ヒューマントラストシネマ渋谷他全国順次ロードショー
【上映作品】
『地に堕ちた愛 完全版』 L’amour par terre
1984 年 / フランス / カラー / 176 分
© 1983 LA CECILIA © 2018 Les Films du Veilleur
脚本:パスカル・ボニツェール、マリル・パロリーニ、シュザンヌ・シフマン、ジャック・リヴェット
撮影:ウィリアム・ルブシャンスキー、カロリーヌ・・シャンプティエ
出演:ジェラルディン・チャップリン、ジェーン・バーキン、アンドレ・デュソリエ、ジャン=ピエール・カルフォン、イザベル・リナーツ、サボー・ラースロー
ある戯曲を改作して上演していた女優のシャルロットとエミリーは、その戯曲の作者クレマンに呼ばれ、彼の邸宅で新作を演じることを提案される。
しかしラストは決まっておらず、女性の役はひとつしかない。訳の分からぬまま1週間後の本番に向けて稽古を始めるふたりだったが、屋敷のいわくありげな住人たちと生活を共にするうち、演目と現実がリンクしていることに気づき始める・・・。
いくつもの謎が散りばめられ、役割やパートナーは絶えず入れ替わり、リアルと虚構は曖昧になる。リヴェットの遊び心と実験精神満載の愛憎劇。
『彼女たちの舞台』La bande des quatre
1988 年 / フランス・スイス / カラー / 162 分
© 1988 PIERRE GRISE PRODUCTIONS © 2017 Les Films du Veilleur
脚本:ジャック・リヴェット、パスカル・ボニツェール、クリスチーヌ・ローラン
撮影:カロリーヌ・シャンプティエ
出演:ビュル・オジェ、ローランス・コート、フェイリア・ドゥリバ、ベルナデット・ジロー、イネス・ディ・マデイロス=ダルメイダ、ナタリー・リシャール
女の子だけの演劇学校に通うアンナ、クロード、ジョイス、ルシアの四人組は、パリ郊外の屋敷で共同生活をおくっている。
ある日、同じ演劇学校の生徒で、わけありの恋人がいるというセシルが不可解な犯罪に巻き込まれたとの噂が。
同じころ、四人の彼女たちに謎めいた男がつきまとうようになって──。
名キャメラマン、カロリーヌ・シャンプティエがとらえる官能的な色彩のコントラストに加え、等身大でキュートな彼女たちの衣装にインテリアと、さまざまなディティールも楽しく心踊る一作。
演劇学校の先生役に、リヴェット作品に欠かせない名優ビュル・オジェ。
『パリでかくれんぼ 完全版』Haut bas fragile
1995 年 / フランス / カラー / 169 分
脚本:ロランス・コート、マリアンヌ・ドニクール、ナタリー・リシャール、パスカル・ボニゼール、クリスティーヌ・ロラン、ジャック・リヴェット 台詞:パスカル・ボニゼール、クリスティーヌ・ロラン
撮影:クリストフ・ポロック
出演:ナタリー・リシャール、マリアンヌ・ドニクール、ロランス・コート、アンナ・カリーナ、アンドレ・マルコン、エンゾ・エンゾ
© Pierre Grise Productions, 1995. © 2019 Les Films du Veilleur
荷物に貼られる「こわれもの注意」の原題をもつ本作は、三人のヒロインが図書館へ、公園へ、クラブへ動きまわって、ある時はローラースケートで滑り、歌い、生き生きと舞うミュージカル!パワフルな不良少女ニノン、五年間の昏睡状態から目覚めたルイーズ、「本当の母親」を探しているイダ。そして、彼女らを結びつけるひとりの男…。
音楽も主役のひとりである本作には、クラブ歌手役でシャンソン歌手エンゾ・エンゾ、そして『修道女』以来20年ぶりのリヴェット映画への出演となる、ヌーヴェル・ヴァーグの女神アンナ・カリーナも特別出演。
『セリーヌとジュリーは舟でゆく』Céline et Julie vont en bateau
1974 年 / フランス /カラー / 193 分
©1974 Les Films du Losange
脚本:ジュリエット・ベルト、ドミニク・ ラブリエ、ビュル・オジェ、マリー=フランス・ピジエ、ジャック・リヴェット
撮影:ジャック・ルナール
出演:ジュリエット・ベルト、ドミニク・ ラブリエ、マリー=フランス・ピジエ、バーベット・シュローダー
公園のベンチで魔術の本を読んでいた司書のジュリーが魔術師セリーヌと出会ったことからはじまる奇妙な冒険、そしてある殺人事件のにおい。
「不思議の国のアリス」的迷宮を思わせる冒頭から始まる本作はセリーヌ役のジュリエット・ベルトとジュリー役のドミニク・ラブリエが書き始めた台本から出発し構成された。幻想と現実の境界線を軽やかに飛び越えて自由に入れ替わる主人公たちのユーモラスなやりとりや70年代を象徴するサイケデリックな衣装も楽しく、遊び心に溢れたファンタジーの傑作にしてリヴェットの人気作。
『デュエル』Duelle
1976 年 / フランス /カラー / 121 分
©1976 SUNSHINE / INA.Tous droits réservés.
脚本:エドゥアルド・デ・グレゴリオ、マリル・パロリーニ、ジャック・リヴェット
台詞:エドゥアルド・デ・グレゴリオ
撮影:ウィリアム・リュプチャンスキー
出演:ジュリエット・ベルト、ビュル・オジェ、ジャン・バビレ
現代のパリを舞台に、地上での生を受けるため魔法の石をめぐって太陽の女王と月の女王が対決するファンタジー。
リヴェットはジェラール・ド・ネルヴァルの小説に着想を得て、ラブストーリー、犯罪劇、西部劇、ミュージカル・コメディといった内容の<火の娘たち>と称した4部作を構想し、本作はその“犯罪劇”にあたる。
奇想天外なおとぎ話のような題材を挑戦的なフィルム・ノワールの要素を盛り込んで表現し、超現実的で詩的な美しさを達成した。
提供:マーメイドフィルム、Respond
配給:マーメイドフィルム、コピアポア・フィルム 宣伝:VALERIA
後援:在日フランス大使館、アンスティチュ・フランセ日本
公式HP
公式 X:@jacquesrivette_
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