ホーム » 投稿 » 海外映画 » 劇場公開作品 » 『エンニオ・モリコーネ特選上映 Morricone Special Screening×2』小島秀夫ら著名人コメント解禁

『エンニオ・モリコーネ特選上映 Morricone Special Screening×2』小島秀夫ら著名人コメント解禁

text by 編集部

モリコーネの名曲が、スクリーンに甦る! 『死刑台のメロディ』4Kリマスター・英語版と『ラ・カリファ』の2作品が、 『エンニオ・モリコーネ特選上映 Morricone Special Screening×2』と題して4/19(金)より公開される。 この度、小島秀夫、原達也、武田砂鉄ら著名人からの絶賛コメントが到着した。

永遠のフィルム・マエストロ、モリコーネの名曲がスクリーンに甦る!

その91年の生涯で、500作品以上もの映画・TV作品の音楽を手がけた映画音楽界の巨匠、エンニオ・モリコーネ(1928-2020)。昨年劇場公開されたジュゼッペ・トルナトーレ監督によるドキュメンタリー映画『モリコーネ 映画が恋した音楽家』(21)での大きな感動と称賛を経て、3/22(金)から彼の出世作である『荒野の用心棒』(64)『夕陽のガンマン』(65)『続・夕陽のガンマン/地獄の決斗』(66)の“ドル3部作”が4K劇場リバイバルされるなど、いま再びモリコーネ・リスペクト、再評価の動きが高まっている。

この度本作を一足先に観た著名人の方々から絶賛コメントが到着致した。

「モリコーネの甘美な旋律。たまらんです!」「主題歌がいつまでも脳内リピートする」「主役はモリコーネの音楽なのだ」などモリコーネの音楽に魅せられた言葉の数々に、改めて永遠のフィルム・マエストロ、エンニオ・モリコーネの功績と音楽に酔いしれる貴重な特選上映に期待が膨らむコメントとなっている!

小島秀夫、原達也、武田砂鉄ら著名人コメント解禁!

小島秀夫(ゲームクリエイター)

小学生の時、ラジオから流れてきたジョーン・バエズが歌う「勝利への讃歌」をたまたまエアチェックし、カセットテープで何度も聴いていた。『死刑台のメロディ』(1971)の映画を見たのは、ずっと後。歌詞にある“勝利(Triumph)”の意味はその時に知った。

このモリコーネの影響を受けて、「MGS4」や「MGS GZ」で、この曲を挿入歌として使わせて貰った。冤罪で公開死刑にされた“サッコとヴァンゼッティ”に、“スネークとオタコン”の未来を重ねたのだ。

『ラ・カリファ』(1970)の方は、OSTを持っていたので勿論、曲は知っていた。ただ日本未公開なので観たことはなかった。今回、観て驚いた。音楽からは想像もつかない社会派映画だったとは。

ほぼずっと鳴っているあの美しいメロディ。最初は違和感を覚えたが、モリコーネの甘美で物悲しい音楽に、物語が、キャラクター達が、結末が寄り添っていく。

『死刑台のメロディ』も『ラ・カリファ』も、主役はモリコーネの音楽なのだ。そして、どちらもモリコーネの音楽から入った。この二本は観逃せない。

オノ セイゲン(録音エンジニア・アーティスト)Photo by Ansel Elgort

『死刑台のメロディ』も主題歌「勝利への讃歌」もタイトルは(あくまで個人的な感想ですが)例えば『あなたはここにいる(Here’s To You)』のが適しているのではないかと思いました。

1920年のアメリカで起きた事件のドキュメンタリー。モリコーネの曲にジョーン・バエズが歌詞をつけて大ヒットした主題歌がいつまでも脳内リピートする印象的なものです。

『ラ・カリファ』は新しい発見でした。マカロニ・ウエスタンから『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』(1984)、『ニュー・シネマ・パラダイス』(1989)に至る職人モリコーネ。

タイムを記録した手帳(NCPのBlu-rayのコメンタリー参照)にはきっとこの映像と音楽の調和などが詳細にメモされていることでしょう。こちらも映画館で観たい作品ですね。

野村雅夫(ラジオDJ・翻訳家/京都ドーナッツクラブ)

不幸にも日本でスルーされてきた作家ベヴィラクアの監督デビューが、こんなにも鮮烈だったとは!テロやストが相次いだ当時の世相を刻印した映像。ロミー・シュナイダーとウーゴ・トニャッツィが散らす労使問題と恋の火花。29ものモリコーネの甘美な旋律。

たまらんです!見落とされた70年代傑作のフックアップに感謝感激

森達也(映画監督・作家)

イタリア移民で社会主義者とアナーキスト。つまり当時のアメリカにおいては少数者。だからこそ不正義がまかりとおる。差別と偏見。ヘイトとクライム。それは決して昔話ではない。

モリコーネが作曲した「勝利への讃歌」で、ジョーン・バエズは「あなたたちの苦悩は勝利」と何度もくりかえす。胸にしみる。でも悔しい。だってまだ勝利していない。観終えてあらためて思う。世界は変わらねばならない。

ピーター・バラカン(ブロードキャスター)

『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』に続いて、1920年代のアメリカで起きた醜い事件を描いた映画ですが、こちらは50年以上前の作品。

司法を政治の道具として悪用する白人エリートが貧しい移民を餌食にするのは、昔も今も残念ながらあまり変わりません。

武田砂鉄(ライター)

「正義は権力の一部では?」との問いが重い。

この問いにどう答えればいいのだろう。

「これが真実だ」と強要する光景も、

今、この時代のアレやコレに似ている。

1 2