ホーム » 投稿 » 海外映画 » レビュー » 映画「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」欲望と残酷な悲劇の傑作<あらすじ 考察 解説 評価 レビュー> » Page 2

ゼア・ウィル・ビー・ブラッド 【ネタバレあり】あらすじ

ある夜。ダニエルはヘンリーに銃を突きつけ、真相を話すように要求。ヘンリーはダニエルの勢いに飲まれ、弟であると告げたのは嘘だと告白。ダニエルは容赦なくヘンリーを銃殺し、石油が湧き出る土の中に死体を埋めるのだった。

国内屈指の石油王として名を馳せるダニエルだったが、その欲望はとどまることを知らない。さらに領土を拡大するために、農民一家のバンディ家の土地を買収しようと画策。領主のウィリアム・バンディ(ハンス・ハウェス)は、「ダニエルが教会で洗礼を受ければ土地を売る」と約束。ダニエルはサンデー家の長男であり、ポールの双子の兄であるイーライ(ポール・ダノ)が牧師を務める教会で洗礼を受けることになった。

洗礼式当日。ダニエルはイーライから息子を見捨てた過去をなじられ、屈辱に打ち震える。寄宿学校での生活を終えたH・Wがダニエルのもとに帰ってきた。奇しくもそのタイミングでイーライは宣教のために町を離れる。

年月は流れ、大人になったH・Wはサンデー家の娘・メアリーと結婚。ダニエルは実業家として不動の地位を築いたものの、毎日のように酒をあおり、1人で暮らすには広すぎるだだっ広い豪邸で孤独な日々を送っている。H・Wは父に対し、メアリーとともにメキシコに渡り、新天地で会社を立ち上げたいと懇願する。

ダニエルはH・Wの申し出を、自身に対する裏切りであると解釈。激昂の末、実はH・Wが自身の子供ではなく、亡くなったかつての仲間の遺児であると告げる。H・Wはダニエルへの憎しみを新たにし、2人は袂を分つことになった。

息子にも去られたダニエルは天涯孤独の身となった。そんな彼のもとにイーライが訪れる。金銭的に困窮したイーライは、バンディ家の土地の石油採掘に出資したいと泣きつく。そんな彼に対し、ダニエルは「自分は偽の預言者で、神は存在しない」と叫ぶことができたら、話を聞こうと約束。イーライは恥を忍んでダニエルの言う通りにするが、すでにバンディ家の土地は採掘済みであり、イーライがうまい汁を吸う余地は残されていないのだった。

イーライはダニエルから冷酷な仕打ちを受けてもなお、金銭的な援助を求め、土下座。ダニエルはイーライをボーリングのレーンに追い詰め、ボールを投げ込み、痛めつける。そして動きの止まったイーライの頭にピンを打ち付け撲殺。駆けつけた執事に対し、疲れ切った様子で「終わった」と告げるのだった。

Watch on Apple TV

1 2 3 4 5 6 7 8