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「“特撮モノ”の芝居は足し算」映画『IKE Boysイケボーイズ』釈由美子インタビュー。結婚後初の出演作を語る

text by ZAKKY

日本の特撮モノ、アニメの大ファンであるアメリカ人監督エリック・マキーバーによる、初の長編作品映画『Ike Boys イケボーイズ』が現在公開中。エリック監督から直々のオファーを経て、初のハリウッド映画出演を果たした、釈由美子さん。本作について心境や日本映画との違い、女優としてのこれからなどたっぷり語っていただいた。(取材・文/ZAKKY)

【釈由美子 プロフィール】

 1997年デビュー。女優、タレント。愛犬家、一児の母。映画『修羅雪姫』(2001)、映画『ゴジラ×メガゴジラ』(2002)、映画『KIRI職業・殺し屋』(2015)、ドラマ『スカイハイ』(2003)、ドラマ『7人の女弁護士』(2006)などの作品で主演を務めるなど出演作品は累計100作を超える。

映画『Ike Boys イケボーイズ』公式HP

「女優としてこんなに名誉なことはない」
20年以上前の出演作を観た監督からのオファー

写真:Wakaco
写真Wakaco

ーーー『Ike Boys イケボーイズ』に 出演するにことになった経緯を、お聞かせください。

「いわゆるハリウッド映画のオーディションで勝ち取ったという流れとは、まったく違いましたね。監督のエリック・マキーバーさんが、高校性のころに私が出演していた映画『ゴジラ×メカゴジラ』(2002)の大ファンだったらしいんです。なので、監督から直々にオファーが来たことがきっかけです」

ーーー向こうからのラブコールだったんですね。お話が来た時は、どんなお気持ちでしたか?

「嬉しかったですね。エリック監督は元々、日本の特撮映画マニアということはあったとしても、20年以上前の作品に出演していた私のことをピンポイントで気に入ってくれてオファーしてくれたわけですから。女優としてこんなに名誉なことはないです。台本を読む前から出演を決めました」

ーーーエリック監督からすれば10代の頃からの夢が叶ったわけですから…双方の関係性がとても美しいです。

「客観的にそう思っていただけるのも嬉しいですし、監督と本作には感謝の気持ちしかないです」

ーーー撮影は、いつごろに行われたのですか。

「現地入りする予定のタイミングが2020年のトランプ政権下で、俳優労働ビザがなかなか下りなかったんです。また、その後はコロナ禍となり何度も頓挫していました。

それで、もうこれ以上は撮影期間を引き伸ばせない、もし、来られなければ、やむを得ずアメリカ在住の女優さんにキャストチェンジするという話になっていました。本当にあと1日遅れたら、出演そのものがなくなるというギリギリの状況で何とか間に合って、撮影を慣行できたんです」

ーーーギリギリセーフだったわけですね。ということは、撮影のスケジュールもかなり大変だったのではないでしょうか?

「そうなんです。現地に入るまでは綱渡り状態で、アメリカに降り立って、次の日には自分のシーンの撮影に入るようなタイトなスケジュールでした。その後、3月には日本での撮影があったんですけど、アメリカのスタッフが半分ぐらい来れなくなってしまい、日本にいるスタッフに急遽お願いしたりと…すごく大変でした」

ーーー そもそも、撮影されたのが、4年も前だったのですね。

「そうですね。撮影してから4年後に公開という作品も、なかなかないので、感慨深いですね。『こんな感じだった! 』と、逆に新鮮に感じる部分もありました」

ーーーエリック監督の現場での印象は、いかがでしたか?

「リモートでかなりディスカッションをしていたので、空港で初めて会った時は、感動と一緒に、ホッとする安心感もありました」

ーーーそれは、エリック監督もさぞかし感無量でしたでしょうね。

「後で聞いたら、『これからが始まりなのに、会った瞬間にすべて終わった感じみたいだった』と言ってくれました(笑)。あと、彼は日本語が堪能で、英会話にまだまだコンプレックスがある私にとっては、コミュニケーションを取る上で、とてもありがたかったです(笑)」

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