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>映画『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』【ネタバレあり】あらすじ

ケイト・ブランシェット
ケイト・ブランシェット【Getty Images 】

 時は流れて1930年。杖1本で歩けるようになったベンジャミン(ロバート・タワーズ)は、施設の食事会に参加していた。そこで、彼は、運命の出会いを果たす。青いまなこが印象的な夫人の孫娘デイジー(エル・ファニング)だ。

 また、その日クィニーは、男の子を授かったことを報告する。

 その夜。寝ていたベンジャミンはデイジーに起こされ、秘密を打ち明けあおうと言われる。ここでベンジャミンは、自分は老いた姿だが、まだ子供であることを伝える。

 すると、そこにフラー夫人(フィリス・サマーヴィル)が現れ、「恥知らず」とののしりながらデイジーを連れて部屋に戻る。その後もベンジャミンはみるみる若返っていき、新しい入居者からピアノを習ったり、ひとり遊びを好んだりと、悠々自適の生活を送っていた。

 1936年。18歳になったベンジャミン(トム・エヴェレット)は、川に行った際に、船長のマイク・クラーク(ジャレッド・ハリス)と出会い、船員として働き始める。ベンジャミンをただの老人だと思っているマイクは、彼を酒場や娼館など、さまざまなところへ連れて行く。

 そんなある日、ベンジャミンは娼館でトーマス・バトンなる人物と出会う。トーマスは、ベンジャミンを酒場に誘い、出産時に亡くなった自身の妻や、ボタン製造会社の経営者の話をした後、ベンジャミンの出生についても話をふる。

 トーマスとの話の中で、人生が親しい人の死を見送ることであることに気づいたベンジャミンは、世界を知るために正式な船乗りになることを懇願する。

 週末毎にホームを訪れていたデイジーは、ベンジャミンとの別れを惜しむ。ベンジャミンも、出航後に葉書を書くことを約束に、デイジーに別れを告げる。

 その後、ロシアに到着したベンジャミンは、イギリス貿易使節団代表を名乗るスパイ、アボット夫婦と出会う。

 ベンジャミンは当初、その妻のエリザベス(ティルダ・スウィントン)を美人でもないし一眼も引かない女性と表現していたが、ある夜を境にぐっと距離が縮まり、夜な夜な出会うようになる。

 若干19歳で英仏海峡横断に挑戦したというエリザベスの情熱に惹かれたベンジャミンは、彼女と肉体関係を結ぶ。エリザベスは自身の立場上、日中は会わないことと愛していると言わないことを条件に、ベンジャミンとの逢瀬を容認した。

 そんなベンジャミンのアバンチュールは、ある日突然終わりを告げることになる。太平洋戦争が勃発したのだ。

 日本軍による真珠湾攻撃のニュースが流れた朝、ベンジャミンの部屋には「会えて嬉しかった」という書き置きが置かれ、それ以来エリザベスは姿を消した。

 やがて戦争が本格化すると、マイク船長の船は、後方支援のため、真珠湾行きを命じられることになる。しかし、そこでマイク船長の船は潜水艦からの攻撃を受け、マイク船長は戦死する。

 1945年。26歳になったベンジャミン(ブラッド・ピット)は、再び老人ホームに戻る。約8年ぶりに戻ったホームでは、デイジーが他界し、クィニーの娘が手伝いをしていた。

 クィニーをはじめ、皆がベンジャミンの無事を祝福する中、バレエダンサーとして活躍していたデイジーがニューヨークから戻ってくる。

 一段とたくましくなったベンジャミンを誘惑するデイジーだったが、ベンジャミンの方は都会的な彼女に気後れし、見た目にギャップがあることを理由に断る。

 その晩、ベンジャミンのところにトーマス・バトンが訪ねてくる。トーマスはベンジャミンを食事に誘い、戦争特需でボタン製造業の業績が10倍になったが、感染症のせいで命はそう長くないと語る。

 そして、ベンジャミンを自身のボタン工場へ連れていく。

 なぜ自分を工場に連れてきたのか、と聞くベンジャミン。すると彼は、ベンジャミンが自分の息子であることを告白し、彼が生まれた晩を振り返る。

 余命いくばくもないトーマスは、自身の遺産をベンジャミンに譲りたいというが、彼は首を縦に振らない。自室に戻ろうとするベンジャミンだったが、ここで、7回雷に打たれたという老人に話しかけられる。

 目も耳も記憶力も衰えたが“幸運にも生きている”ー。老人のこの言葉に心打たれたベンジャミンは、再びトーマスの屋敷へ向かう。

 そして、彼を連れて別荘へ向かい、彼に明け方の湖畔の風景を見せ、トーマスが息を引き取るまで優しく寄り添う。そしてベンジャミンは、トーマスの遺産を受け継ぎ、再びクィニーのホームで働き始める。

 そんなある日、ベンジャミンの元に、パリから1通の電報が届く。それは、バレエダンサーとして絶頂期だったデイジー(ケイト・ブランシェット)が事故にあったという報せだった。

 早速、デイジーのいる病院に駆けつけたベンジャミンだったが、デイジーの足は複雑骨折しており、今後のバレエダンサーとしての活躍は難しかった。

 惨めな姿をベンジャミンに晒してしまったデイジーは、自分の人生に関わらないでほしいとベンジャミンを拒絶する。しかし、彼は、「いつまでも待つよ」と告げ、パリに滞在し、デイジーの病室の窓を見守り続ける。

 1962年の春。退院したデイジーは、ニューオーリンズのベンジャミンの元を尋ねる。そして、お互いの年齢と気持ちが重なった2人は、その夜、ようやく結ばれることになる。

 これまで離れ離れだった時間を埋めるように、世界をめぐる2人。そんな中、ベンジャミンの育ての親だったクィニーが亡くなり、2人は彼女の葬儀に駆けつける。

 2人のもとには、クィニーの屋敷が遺された。しかし、ベンジャミンはこれを売却し、新たに新居を購入。2人の甘い新婚生活の幕が開けた。

 ある日、デイジーは、自分が妊娠したことをベンジャミンに報告する。ベンジャミンはその報せに喜ぶが、一方で、自身がどんどん若返り、親の務めを果たせなくなるのではと一抹の不安を抱いていた。

 そして、その後、身重のデイジーが階段を踏み外して転落し、そのはずみに女児を出産。ベンジャミンは、彼女に亡くなった母と同じ「キャロライン」という名前をつける。

 普通なら、幸せな家庭生活を送るはずだったが、ベンジャミンは手放しに喜べなかった。彼はデイジーに、将来的に自分とキャロラインの2人を養うことになると告げる。そして、キャロラインの1歳の誕生日に残された遺産を全て処分し、生活費を残して姿を消した。

 そして月日は流れる。再婚相手が亡くなり、ノーラン財団老人ホームに入居していた彼女のもとに、1本の電話が入る。

 それは、とある児童養護施設からの連絡だった。スタッフの話によると、先日10歳の男の子が保護されたが、自分のことすらわからない状況で、所持品からデイジーが関係者であることを突き止めたという。

 早速デイジーが施設に足を運ぶと、そこには、すでに幼児の姿になっているベンジャミンがいた。彼女は、ベンジャミンを引き取り、育てることを決意する。

 2003年の春。赤ん坊の姿になったベンジャミンは、老女となったデイジーの腕の中で、眠るようにその生涯を終えた。

 そして、キャロラインがベンジャミンの日記を読み終えると、ハリケーンが上陸して停電が起こる。暗闇の中デイジーが「おやすみ、ベンジャミン」と告げると、そのまま息を引き取る。

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