35年後も変わらない潔さ
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前作の登場人物たちは歳を重ねているものの、今作では大きな成長も境遇の変化も感じさせない、というか35年前とほぼ同じままなのである。
あのゴス少女だったリディアは、母になっても以前としてゴスのまま、母デリアもあの時のままで唯我独尊アーティスト。もちろんビートルジュースに成長が見られるわけがない。
ここ最近の懐かし映画の続編では、主人公や登場人物に前作公開当時からの年月分の年齢を加算して性格や境遇の変化などでギャップを作り出すのがセオリーだが、今作は登場人物に加齢以外の変化があまり観られないのが驚きであった。今時、潔いくらいに「あの時の映画」のままなのである。
変化がないのは人物造形だけではない。映画のルックそのものも前作と同じであることが、今作のこだわりとして強く感じられる。
前作でも印象深いサンドワームが今作にも登場するが、なんと前作と同じくストップモーションなのである。また霊界の死者たちの姿は手品の脱出に失敗して鎖に縛られたまま溺れた男など、死因が一見してわかるようなユニークな姿をしているが、それもまた特殊メイクや白塗りなど、前作同様に手作り感満載なのである。
もちろん、これらのキモ可笑しいキャラたちはバートン作品にはなくてはならない要素なのだ。