ナンニ・モレッティ監督が周囲とズレてしまった迷惑なベテラン監督を演じる。映画『チネチッタで会いましょう』本編映像公開
カンヌ・ヴェネチア・ベルリン3大映画祭を制したイタリアを代表する映画作家ナンニ・モレッティ監督の映画『チネチッタで会いましょう』。本作は、時代の変化についていけず、はみ出してしまっていた映画監督が、失意の後に大切なことに気づくという物語。11月22日(金)の公開を前に、本編映像が公開された。(文・編集部)
独特のユーモアとやさしい眼差しが観客の心を掴む
本作は、モレッティ自身が製作・脚本・出演も兼ね、90年余の歴史を持つヨーロッパ最大の撮影スタジオであるチネチッタ撮影所で行われた作品だ。
公開された本編映像は、ベテラン映画監督のジョヴァンニが、妻のパオラがプロデューサーを務める若手監督の撮影現場で、難癖をつけて最後のシーンの撮影を中断させる場面から始まる。
ジョヴァンニは、自分が周囲とズレてしまったことに気づき、大切な人たちとの関係を修復することができるのか? 続きが気になる内容となっている。
【本編映像】
【ストーリー】
5年に1度新作を撮り続けてきた映画監督ジョヴァンニ。傍にはプロデューサーでもある妻がいつもいてくれた。頭の中は新作のアイディアでいっぱいだ。完璧に見えた彼の人生。ところが自分は世間からも家族の気持ちからもズレていたことに、容赦なく気付かされる出来事に見舞われる。
妻には突然別れを切り出され、フランス人のプロデューサーは詐欺師とわかり映画製作は中断される。しまいには妻のプロデュースする映画に難癖をつけ撮影を1晩とめてしまう。
Netflixを頼ってはみたものの脚本にダメ出しされる。窮地に陥った彼が失意の中で見つけた大切なものとは?
【作品概要】
監督:ナンニ・モレッティ
脚本:フランチェスカ・マルチャーノ、ナンニ・モレッティ、フェデリカ・ポントレモーリ、ヴァリア・サンテッラ
音楽:フランコ・ピエルサンティ
撮影:ミケーレ・ダッタナージオ
出演:ナンニ・モレッティ、マルゲリータ・ブイ、シルヴィオ・オルランド、バルボラ・ボブローヴァ、マチュー・アマルリック
2023 年/イタリア・フランス/原題:Il sol dell’avvenire/96 分/ヴィスタサイズ/日本語字幕:関口英子
後援:イタリア大使館/特別協力:イタリア文化会館/配給:チャイルド・フィルム
© 2023 Sacher Film–Fandango–Le Pacte–France 3Cinéma
公式サイト
【関連記事】
摩訶不思議な映画体験。『夜の外側 イタリアを震撼させた55日間』考察&評価レビュー。マルコ・ベロッキオの演出の真髄とは?
噴出する映画の発掘的な精神。アリーチェ・ロルヴァケル『墓泥棒と失われた女神』が描く失われた聖性とは? 考察&評価レビュー
イタリア映画の最高峰…ラストシーンの意味とは? 映画『道』徹底考察。とにかく泣ける…珠玉の名言と音楽も深掘り解説
【了】