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『アビゲイル』から紐解くバンパイア映画の歴史とは? 考察&評価レビュー。話題のアクションホラー、魅力を徹底解説

狼男やフランケンシュタインなどの怪物と並び、世界中の人々を恐怖に陥れてきたバンパイア。その姿は、邪悪なモンスターでありながら他の怪物とは一線を画した気品とエレガントさを漂わせている。そこで今回は、9月13日(金)公開のホラー映画『アビゲイル』に紐づけ、バンパイアの歴史を紹介。その知られざる魅力に迫る。(文・中川真知子)

気品あふれるモンスター、バンパイアの魅力

アビゲイル
©2024 Universal Studios

 鋭い牙で首筋から血を吸う怪物。被害者の肩越しからまっすぐと画面のこちら側を見据える眼光は色気すら感じさせる。バンパイアは残虐でありながらエレガントで、ときにエロティシズムすら漂わせるモンスターなのだ。

 9月13日公開の『アビゲイル』は、そんなエレガントなバンパイアのイメージをより強固にするだろう。なにせ主人公は、「バレリーナ吸血鬼」なのだ。若干12歳の吸血鬼アビゲイルは、自分を誘拐した犯罪者たちを、踊りながら血祭りにあげる。その様子は無慈悲かつ無邪気で、バンパイアらしくどこまでもエレガントだ。

 だが、ここで少し立ち止まって考えたい。バンパイアが他のモンスターと比較して上品かつ優美な存在として描かれるのは一体なぜだろうか。本記事では、バンパイアがかくもエレガントなモンスターである理由を探る。

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