主人公は殺人を犯したのか? 鑑賞後の余韻が凄い…映画『落下の解剖学』徹底考察&評価。157分没入できる理由とは?
text by 寺島武志
第76回カンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドール受賞。第81回ゴールデン・グローブ賞で作品賞を含めた4部門にノミネートされた映画『落下の解剖学』が上映中だ。今回は、優れた脚本と俳優たちの重厚な演技の解説に加え、妻が本当に夫を愛していたかどうかに迫っていく。〈あらすじ キャスト 考察 解説 評価 レビュー〉(文・寺島武志)
カンヌ国際映画祭パルムドールに輝いた作品がいよいよ日本公開へ
本作は、2023年5月のカンヌ国際映画祭で、パルム・ドールに輝き、2024年1月のゴールデングローブ賞でも、脚本賞(ジュスティーヌ・トリエ、アルチュール・アラリ)と非英語作品賞の2冠を獲得。
さらに、2024年3月に発表されるアカデミー賞においても、作品賞をはじめとする5部門でノミネートされている。パルム・ドールとアカデミー賞作品賞の2冠となれば、2019年の『パラサイト 半地下の家族』以来の快挙となる。
フランス本国では公開からわずか1か月で観客動員数100万人を突破し、興行収入は、現時点で既に850万ドル(約126億円)を超え、満を持して2月23日から日本国内で公開となった。