理不尽なラストの意味は? 父親の正体は? 4つの謎をわかりやすく解説。映画『ボーはおそれている』徹底考察&評価&解説
text by ニャンコ
ホアキン・フェニックス主演、A24製作の映画『ボーはおそれている』が公開中だ。『ミッドサマー』のアリ・アスター監督の集大成的な作品を深掘り解説。本作は面白い? つまらない? 忖度なしのガチレビューをお届けする。(文・ニャンコ)<あらすじ キャスト 考察 解説 評価 レビュー>
※本レビューでは映画のクライマックスについて言及があります。
鬼才アリ・アスターの集大成にして最大の問題作
日常のささいなことでも不安になってしまう怖がりの男ボーは、つい先ほどまで電話で会話していた母が突然、怪死したことを知る。
母のもとへ駆けつけようとアパートの玄関を出ると、そこはもう“いつもの日常”ではなかった。
その後も奇妙で予想外な出来事が次々と起こり、現実なのか妄想なのかも分からないまま、ボーの里帰りはいつしか壮大な旅へと変貌していく…。
「ミッドサマー」「ヘレディタリー 継承」の鬼才アリ・アスター監督と「ジョーカー」「ナポレオン」の名優ホアキン・フェニックスがタッグを組み、怪死した母のもとへ帰省しようとした男が奇想天外な旅に巻き込まれていく姿を描いたホラーコメディ映画。
怪死したママの元に駆けつけるだけのはずだったボーの帰省が、<壮大な旅>に変貌していく様子を描いている。
「ママが怪死した」―突然の電話連絡で、茫然自失となったボーは、しばらく会ってなかった母に会いにいく決心をするが、その瞬間から現実か妄想か分からない壮大な旅に巻き込まれていくことになる。
本レビューでは、タイトルに込められた意味、ラストシーンが伝えたいこと、映画館のメタファーが意味するもの、ボーの父親と兄弟の正体について、ネタバレありで解説する。