フェミニズム的視点と新しいシンデレラ像
本作は、単なるホラー映画の枠にとどまらず、フェミニズム的な要素も感じさせるストーリーに仕上がっている。
従来の伝統的なシンデレラ像は、助けを待つ受動的な女性として描かれることが多く、王子に代表される他者に依存する形で幸せを成就する展開が一般的であった。
しかし、本作のシンデレラは、自ら力を手にして運命を切り開き、自分の尊厳と権利、そして幸せを手にしている。
本作は、現代の女性が直面する抑圧や不平等への抵抗をエンパワーメントする側面があるのだ。また、フェアリーゴッドマザーという存在が、相手を支配する力を持つ強い存在として描かれることで、権力と依存の関係が複雑に描かれている点にも注目である。
(文・ニャンコ)
【作品情報】
監督・製作:ルイーザ・ウォーレン
製作総指揮:スチュアート・オルソン
脚本:ハリー・ボックスリー
編集:ジャック・ジェームズ
音楽:ジェームズ・コックス
出演:ケリー・ライアン・サンソン、クリッシー・ウンナ、ダニエル・スコット、ローレン・バッド
2024年/イギリス・アメリカ/82分/英語/カラー/デジタル5.1ch/スコープサイズ/原題:Cinderella’s Curse
配給:ハーク、S・D・P/R15
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