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映画『イレイザー・ヘッド』【ネタバレあり】あらすじ

デヴィッドリンチ監督第70回カンヌ映画祭Getty Images

 しかし、メアリーが生んだのは奇形児だった。爬虫類のような容貌の赤ん坊は、手足がなく、四六時中甲高い奇声を上げている。メアリーは、ヘンリーと同棲し、子育てに奮闘するも、赤ん坊の夜泣きに耐えられず、家を出て行ってしまう。メアリーが家を出ていくと、赤ん坊は泣き止む。

 ある日、ヘンリーが仕事に行こうとすると、赤ん坊の体中に発疹が出ていることに気づく。ヘンリーがそれでもなお仕事に行こうとすると、赤ん坊は一層泣きわめき、ヘンリーを引き留めようとする。

 疲れて横になったヘンリーは、ラジエーターの中にある劇場で、頬にコブのある醜い少女(ローレル・ニア)が踊っている幻覚を見る。と、ステージの上から、幼虫のような胎児が少女の足元に次々と落ちてくる。少女は、胎児を踏みつけながら踊りを続ける。その後、目覚めたヘンリーが赤ん坊の体温を測ると、赤ん坊に熱があることに気づく。

 ヘンリーが目を覚ますと、家出したはずのメアリーがいつの間にか隣に寝ている。と、メアリーが歯ぎしりし、悶えるたびに、ベッドの中からへその緒が付いた胎児が次々と出てくる。ヘンリーが胎児を壁に投げつけると、胎児は潰れて痕跡が壁に残る。と、突如戸棚が開き、中から巨大な肉片が出てくる。肉片は、奇声を上げながら壁中をはい回る。

 そんな中、鍵を失くした隣人が、部屋に入れないので入れてほしいとたずねてくる。ヘンリーは彼女を自室に泊め、肉体関係を結ぶ。

 ヘンリーの幻覚はなおも続く。ラジエーターの劇場では、頬にコブのある少女が「天国ではすべてうまくいく」と歌っている。ヘンリーがステージに上がり彼女に触れると、少女は消え、宇宙の男が一瞬だけ姿を現す。

 その後、ヘンリーの部屋に置いてあるオブジェがステージに登場すると、突然ヘンリーのクビが落ち、身体の中から胎児が這い出てくる。赤ん坊は絶叫し、オブジェから血が流れだす。

 一方、ヘンリーの首は、工場近くの道路に落下。少年に拾われ、鉛筆工場へと持ち込まれる。工員の男が、ヘンリーの頭の一部を取り出し、装置に入れ、鉛筆に作り替える。鉛筆の先には消しゴム(イレイザーヘッド)がついている。

 ヘンリーが目を覚ますと、そこには隣人の姿がなくなっていた。ヘンリーは、隣室の扉をノックするが、返事がない。と、中からかすかにレコードの音が聞こえてきて、扉を開ける。すると、そこには、隣人と頭の大きな男が立っている。隣人からは、ヘンリーの頭部が赤ん坊の醜い頭に見えており、そのまま男と部屋に入っていく。

 気落ちして部屋に戻るヘンリー。と、元気になった赤ん坊は、そんな彼をあざ笑うかのように、不気味な笑い声で出迎える。激高したヘンリーは、ハサミを取り出し、赤ん坊を包んでいた包帯を切り開く。

 ヘンリーが包帯を切ると、そこからびっしり詰まった臓物が現れる。ヘンリーがハサミで心臓を刺すと、赤ん坊は苦しそうな表情で血を吐きながら巨大化していく。

 と、部屋の中の電気機器がショートし、白い閃光があたりを覆い尽くす。閃光の中で、宇宙の男が火花を上げながら何かを研磨している幻覚を見る。

 そして、辺りを霧が覆い尽くす。その中で、ヘンリーは頬にコブがある女性と邂逅する。2人は、お互いに抱擁を交わし、踊り続ける。

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