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盟友ジョン・ウィリアムズとの絆ー音楽の魅力

ジョン・ウィリアムズ【Getty Images】

ジョン・ウィリアムズ【Getty Images】

『E.T.』といえば、エリオットとE.T.が空を飛ぶシーンで流れるあの壮大なフルオーケストラが頭をよぎることだろう。この音楽を担当したのは、ジョン・ウィリアムズ。『ジョーズ』や『ジュラシック・パーク』といったスピルバーグ作品の音楽を担当してきた映画音楽界の巨匠だ。

ウィリアムズは、本作の音楽でリディア旋法(ファの音のみを半音上げた音階を基調に演奏する奏法)を採用。さらに、異なった調を併存させる多調により神秘的かつ壮大な音楽を実現している。以下では特に印象的な楽曲を紹介しよう。

まずは、最も有名な「フライングテーマ」から。E.T.とエリオットが自転車で空を飛ぶシーンや、エンディングテーマとして使用されるこの楽曲は、壮大なオーケストラによる演奏と、開放感たっぷりの曲に仕上がっている。

そして、最もすばらしいのが、病身のE.T.を救い出すシーンから別れのシーンに至るまでの約15分間に流れる「地上の冒険」だろう。弦楽器の音色とファンファーレからはじまるこの楽曲は、シーンごとにさまざまな表情を見せ、まさにウィリアムズの独壇場といってよい楽曲に仕上がっている。

なお本曲の演奏時は、映像に合わせて指揮を振ることに苦心していたウィリアムズに対して、スピルバーグが「映像を曲に合わせるから好きに指揮棒を振ってほしい」と伝えたとのエピソードが残されている。

本作が傑作たりえた理由。それは、スピルバーグと盟友ウィリアムズの絆にあったといっても過言ではないだろう。

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