前作は大爆死…開き直った4作目が賛否両論のワケは? 映画『エクスペンダブルズ ニューブラッド』考察&評価。ガチレビュー
text by ジュウ・ショ
“見るプロテイン”こと『エクスペンダブルズシリーズ』の最新作、『エクスペンダブルズ ニューブラッド』が公開中。シルベスター・スタローンはじめとした筋骨隆々な男たちが、銃弾打ちまくりナイフ投げまくり爆発しまくりでおなじみの本シリーズ。その新作を早速レビューする。(文・ジュウ・ショ)<あらすじ キャスト 考察 解説 評価>
―――――――――――――――
【著者プロフィール:ジュウ・ショ】
フリーランスとしてサブカル系、アート系Webメディアなどの立ち上げ・運営を経験。コンセプトは「カルチャーを知ると、昨日より作品がおもしろくなる」。美術・文学・アニメ・マンガ・音楽など、堅苦しく書かれがちな話を、深くたのしく伝えていく。→note
最高の”バカ映画”
『エクスペンダブルズ』シリーズとは
『エクスペンダブルズ』シリーズは、世界中から愛される大人気シリーズだ。2010年 、2012年 、2014年と新作を発表し続けてきた。
さまざまな危険な任務を受けるエリート傭兵団の「エクスペンダブルズ(消耗品軍団)」が主役。彼らがどんな困難もムッキムキに鍛え上げた筋肉でねじ伏せていく。
信じられない数の銃弾が飛び交うし、ナイフを刺しまくる。もはや「ちょっとローソン行ってくるわ」くらいの感覚で爆弾投げる。そんな世界で生きている消耗品軍団は、乗っている飛行機が爆撃されると「楽しくなってきたぜ!」と興奮しちゃう。危険に慣れ過ぎて脳のネジが完全にぶっ壊れたマッスルおじさん大集合映画だ。
この作品について「ストーリーの緻密さ」に注目している層は、ほぼない。ぶっちゃけ話は超絶シンプルで、何のどんでん返しも起こらない。「死なないだろうなぁ」という奴は死なない。「勝つだろうなぁ」と思っていたら勝つ。
1作目のキャッチコピーは「最強無敵 凄い男たちが魂で見せる、巨大なる興奮と感動。」だ。めちゃめちゃバカっぽくて大好き。そう、我々はどんだけストーリーに深みがなくても、野郎たちの熱い戦闘が好きすぎて、エクスペンダブルズを観にいくのだ。