最新作「ニューブラッド」の撮影時、スタローンは75歳
そんななか前作から10年ぶりとなったシリーズ4作目『エクスペンダブルズ ニューブラッド』が日本で公開された。前提として、前作の『エクスペンダブルズ3』は興行的に爆死している。筆者は「若い観客を呼び込む」ためにバイオレンス描写を減らしたのが敗因と見ている。
実際、25歳未満の客はわずか34%程度だった上、1作目からのファンである筋肉バトル大好き年長者は「血が流れないエクスペンダブルズなんてつまんねぇ」といった具合。まさに二兎を追う者は一兎をも得ずだった。
それを反省して、今回はきっちり従来のバイオレンスを取り戻している。しかし、多くの血が流れるのにあんまりグロさを感じないのは、スピード感のおかげだろう。今回もわんこそばを食うくらいの勢いで人が死ぬから安心してほしい。
ただ、前作から10年経っている。撮影は2021年におこなわれたが、スタローンは御年75だ。今作の実質的な主人公であるジェイソン・ステイサムですら52歳。他のキャストもおじいちゃんに近づいている。個人的には、高齢化した演者が視聴者を楽しませるべくカラダを張り続ける『ガキ使』の某名物企画を思い出してしまった。
今作ではメンバーの一人・ガンナー(ドルフ・ラングレン)が老眼で狙撃を外すなど、若干自虐めいた表現もある。しかし、一方で今作ではスタローンが2メートルくらいの大男を投げ飛ばすシーンがある。その姿を見ると思わず感動してしまう。消耗品軍団は死ぬまで”使える”のだ。