過去作と比べると賛否両論ありそう?
ただ、今作は作品のテイストが以前と変わった感覚も覚えた。特にシリーズのなかでも1、2は「さぁ、筋肉祭の始まりだ……」という男くささを感じたが、今作に関しては少しアクションが丁寧になりすぎているのではないか、といった感覚を覚えた。
「丁寧」というのは「教科書通りのよく訓練された動き」という意味だ。ジェイソン・ステイサムはもちろん、スタントを含めて動きのキレはすごくかっこいい。でも、個人的にはキレイすぎる印象だ。エクスペンダブルズは、もっと豪快にぶちかましてほしいのである。個人的にはちょっと乱暴で汚いアクションのほうが似合う軍団だと思っているのだが、今作からはそれがあまり感じられなかった。
また醍醐味の一つであるキャスティングも、今回は前作に比べると小粒である。前作までは「往年のアクションスター」が参加していたが、今回はそれがない。消耗品軍団の新メンバーには、50セント、ミーガン・フォックス、レヴィ・トラン など、若い世代が起用された。これも元のファンには刺さらないポイントかもしれない。
また映像に少しチープさを感じた。今作では過去作と比べて、製作会社が大きく変わっているが、その影響もあるのだろう。ところどころ「あえてかな……?」と思うほど合成感があった。
とはいえ、いつも通り大迫力の戦闘シーンは健在なのだ。それなのに「今回、ちょっと物足りなかったかも」と思わせるということは、つまり私たちの期待値が勝手に爆上がりし、それを押し付けているのは間違いない。逆説的に1作目と2作目、ひいてはこのシリーズ全体の偉大さを物語っていると言えはしないだろうか。