観客が見たかった「続き」と、新たな物語
ニューヨークに引っ越してきて、ゴーストバスターズ稼業を受け継ぐことになったスペングラ一家の面々。田舎町でのゴーストハントも新鮮だったが、高層ビルの建ち並ぶニューヨークでのバトルは、オリジナルに近いテイストでしっくりくる。
各キャラクターもそれぞれ成長しており、すっかりバスターズ稼業が板についたキャリー母さん(キャリー・クーン)と「パパ」としての立場を模索中のゲイリー先生(ポール・ラッド)、お兄ちゃんのトレヴァー(フィン・ウルフハード)は相変わらずだが、末娘のフィービー(マッケナ・グレイス)は思春期に突入し、自身のアイデンティティについて悩んでいる。
そんなフィービーが出会うのは、なんだか訳ありな少女ゴーストで…と、観客が見たかった「続き」と、新たな物語が自然に展開していく巧みな脚本が光る。
フィービーはちょっと奥手な理系少女といった役どころなのだが、演じるマッケナ・グレイスはすっかり成長しており、メガネの奥から美少女ぶりがダダ漏れ。前作で活躍したポッドキャスト(ローガン・キム)も登場するが、こちらもシュっとした雰囲気になっている。2年でずいぶん変わるものだ。
このポッドキャストが担っていた、ちょっとウザいキャラ枠は今作から登場する、胡散臭さ抜群のナディーム(クメイル・ナンジアニ)が担当。このシリーズならではコメディ要素もしっかり継承している。
そして忘れてはいけないのはゴースト。今回のボスであるガラッカは、最近のアメコミ映画に出てきそうな造形だが、動きも抑えめなのでCGっぽくならず、作りモノ感が漂うのがイイ。チビ・マシュマロマンはさすがにあざといが、ライブラリーゴーストの登場は、オールドファンにとって懐かしすぎるサプライズだ。