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まるで怪獣版プロレス…ラストバトルで見せた激アツ展開とは? 映画『ゴジラxコング 新たなる帝国』考察&評価 解説レビュー

text by 灸怜太

<ゴジラ70周年 ×「モンスター・バース」シリーズ10周年>というビッグイヤーに、最新作にして超大作『ゴジラxコング 新たなる帝国』が4月26日より公開された。今回は、「新たなる帝国」とは何か、「vs」ではなく「×」がもたらす本作最大のラストバトルに迫る(文・灸怜太)<あらすじ キャスト 考察 解説 評価 レビュー>

どこか可愛げのあるゴジラxコング

© 2024 Legendary and Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved.
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レジェンダリー・ピクチャーズが手掛ける怪獣たちの饗宴フランチャイズ「モンスター・ヴァース」。「ゴジラ」と「キングコング」、それぞれの単独映画からはじまり、秘密組織モナークと様々な巨大生物(タイタン)を巻き込みながら発展してきたシリーズだが、ついに前作『ゴジラvsコング』(2021)で両巨頭が激突。タイトル通りにゴジラとコングがバチバチにやりあいながらラウンドを重ね、最後は協力してパチモノみたいなデザインのメカゴジラを倒して一区切りをつけた。

あれから3年後。ゴジラは地上のどこかでタイタンが暴れ出したらシメに行くという地球防衛業&世界遺産の破壊業に励んでおり、コングは故郷の地下空洞で気ままな一人暮らしを満喫していた。

コングは体の不調を感じつつ狩りを行い、シャワーを浴びて独りメシを喰うという、独身おじの悲哀を感じさせる描写で親近感タップリ。ゴジラは相変わらず凶暴だが、放射能を吐くだけ吐いたら、ローマのコロッセオで丸まって寝てたりして可愛さすら醸し出している。

この時点で、本作は怪獣の恐ろしさや、シリアスなパニックドラマを描くつもりはないことは明白だ。物語も、ちょっと懐かしめの秘境探検モノのようなテイストで進行していく。

地下空洞から発せられた謎の信号を調査するために向かうのは、髑髏島の先住民イーウィス族の唯一の生き残りであり、コングと話せる少女ジア(ケイリー・ホトル)。その母親代わりとなているモナーク所属の言語学者アイリーン(レベッカ・ホール)。チャラいけど、イザとなると頼りになる獣医のトラッパー(ダン・スティーヴンス)。お喋りブラザー枠のバーニー(ブライアン・タイリー・ヘンリー)。そしてなんか経験深そうなパイロットのミケル(アレックス・ファーンズ)というチーム。

余談だが、このミケルの日本語吹き替えを担当しているのが空気階段の鈴木もぐらで、このキャスティングの時点で早期退場しそうなニオイが漂うというか、割とネタバレをしてしまっているのではないだろうか…。

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