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物語に寄り添うアコースティックのメロディー 音楽の魅力

イーストウッドとマット・デイモン(第48回ニューヨーク映画祭にて)【Getty Images】
イーストウッドとマット・デイモン(第48回ニューヨーク映画祭にて)【Getty Images】

 ジャズ愛好家で、映画作曲家のカイル・イーストウッドを息子に持つイーストウッドは、『マディソン郡の橋』(1995)や『父親たちの星条旗』(2006)など、多くの作品で自ら音楽制作を手掛けてきた。本作も例外ではない。

 本作では、冒頭からアコースティックの染み入るような旋律で幕を開ける。そして、エンディングテーマは、シンセサイザーの音色に訥々としたアコースティックの音色、ピアノの旋律、そして弦楽器の音色重なっていき、ジョージとマリーの「今後(Hereafter)」を寿ぐような音楽になっている。

 なお、作中で音楽が流れるのは、料理教室のシーンをはじめとするドラマパートに限られており、冒頭の津波のシーンをはじめとするカタストロフのシーンには挿入されていない。ここにも、カタストロフを明快なスペクタクルにはしないというイーストウッドの倫理性が垣間見える。

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