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無名の役者を揃えた意味ー配役の魅力

三池崇史監督
三池崇史監督Getty Images

本作の配役といえば、まずは主人公のパクストンを含む3人組について挙げなければならない。通常のホラー映画であれば真っ先に殺されるだろう死亡フラグ立ちまくりの3人組だが、そんな彼らが物語の中心で進むことに本作の面白さがある。

とりわけ、本作の主人公であるパクストンは、その後生き残って拷問施設を抜け出し、日本人女性のカナを救って逃走を図る。そう考えると、本作はホラー映画のモブの成長物語と考えても良いかもしれない。

ちなみに、パクストン役を演じるのは、『スーサイド・スクワッド』(2016年)などで知られるジェイ・ヘルナンデス。映画初主演となる彼だが、不良大学生ながらもどこか憎めない顔立ちから、徐々に精悍な顔立ちに変わっていく様子を巧みに演じている(なお、本作に登場する役者陣は、ヘルナンデスを除いてほぼ無名の役者で固められており、妙なリアル感がある)。

ちなみに、本作にはなんとバイオレンスの巨匠として知られる監督、三池崇史がカメオ出演している。このキャスティングは、三池の『オーディション』(1999年)に惚れ込んだロスたっての希望で実現したものとのこと。どこに出演しているかは、実際に映画を見て確かめてほしい。

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