残虐表現のオンパレードー映像の魅力
本作の注目ポイントといえば、やはりスプラッターシーンを挙げなければならない。先述の通り、本作では中盤以降スプラッターシーンが加速度的に多くなる。しかも、どの拷問もなんとも痛そうなのだ。
椅子に縛り付けたジョシュの足の腱を真一文字に切って歩けなくさせてみたり、パクストンの手にチェーンソーを当てて指をえぐり取ってみたり、バーナーで焼かれて垂れ下がったカナの目玉をハサミでちょん切ってみたりー。
こういった苦痛に満ちた映像の数々は、おそらくよほどドMな観客でないと正視に耐えないだろう。とりわけ、映画館という拘束された空間で鑑賞する場合は、本作の鑑賞自体が拷問に等しかったはずだ(ちなみに本作、SM界隈では高い人気を誇るらしい)。
また、後半の拷問施設の描写も鳥肌ものだ。血液や肉片と化した人体あちこちに散らばる解体現場の様子はとにかくグロく、ホラー映画にある程度慣れている人でも思わず目を背けてしまうこと請け合いだろう。
本作のグロ描写を担当するのは、グレゴリー・ニコテロ。ジョージ・A・ロメロ監督の『死霊のえじき』(1985年)をはじめ、数々のゾンビ映画、スプラッター映画の特殊効果を担当してきた大ベテランだけに、このあたりの表現は彼の面目躍如といったところだろう。