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実質的な主人公は「シロ」と「ナナ」

『映画クレヨンしんちゃん オラたちの恐竜日記』
©臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK 2024

 そんな国民的に愛される、主人公・しんちゃんが、本作ではサポートキャラに回っているという印象だ。

 物語は、世界的な影響力を持つ「アンビリーバブルな○○を!」が口癖であり、世界を変えようとするが、見るからに悪党の実業家・バブル・オドロキーが「恐竜」を蘇らせたテーマパーク・ディノズアイランドが舞台となっている。

 しんちゃんは、保育園の同級生・酢乙女あいに誘われ、仲間たち「カスカベ防衛隊」と共にディノズアイランドにて、楽しいひと時を過ごす。

 先にネタバレをしてしまうが、ディノズアイランドの恐竜は、本物の恐竜復活の研究をしていたものの、バブル・オドロキーの部下であるアンモナー伊藤(声:オズワルド伊藤)の策略によって作られた、ロボットの恐竜なのだ。
 
 そんな中、バブル・オドロキーの息子であり研究員の1人であるビリー(声:北村匠海)は、偶然にも本物の幼い恐竜「スピノサウルス」を生み出していた。

 しかし、バブル・オドロキーとアンモナー伊藤は、ビリーが生み出した恐竜を培養して、一儲けしようと企てる。勘付いたビリーは、スピノサウルスを連れ逃走を図るが、目を離した際にスピノサウルスは、行方をくらませてしまう。

 野原家の愛犬シロは散歩中に、川の高架下でうずくまっていたスピノサウルスを見つけ、仲良くなっていく。

 野原家へと連れて帰り、野原一家はイグアナだと勘違いをする。そして、本当の飼い主が見つかるまで、一緒にに暮らすようになる。後に、「ナナ」と名付けられたスピノサウルスとの想い出をしんちゃんが日記に綴るのだが、それが本作のタイトルにも繋がっている。

 作中、ナナに餌を与えすぎようとするしんちゃんに対して、シロは咎めるような仕草をしたり、しんちゃんの友達とかくれんぼやドッチボールなどをし、2匹はさらに仲が良くなっていく。

 この一連の流れにより、本作の主役はこの2匹であると言っても過言ではない。
 
 ここで、声高に言いたいことは、「ズルくねーか!? こんな配役と描写!」ということだ。レギュラーキャラのシロと、親友になったナナ。
 
 こんな、かわいい動物キャラ、ダブルでブチ込まれたら、子供だけでなく、大人でも悶絶してしまうこと間違いない。

 ナナ役は、『NARUTO -ナルト-』シリーズ(2002〜)の日向ヒナタ役、『魔法少女リリカルなのは』シリーズ(2004~)のフェイト・テスタロッサ役などを演じた人気声優の水樹奈々であり、SNSでも話題となった。

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