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しんちゃんとナナの関係性に宿るオリジナル

『映画クレヨンしんちゃん オラたちの恐竜日記』
©臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK 2024

 さて、ここからは、本作のもう1つの軸と言える「キャラクター同士の親子関係」について語りたい。

 まず、ネット上の端々で散見されている、映画『ドラえもん のび太の恐竜』(1980)のオマージュ、悪く言えばパクリだという意見について言及したい。

 筆者はそれは違うと考える。「恐竜」というキーワードだけでそれを言ってしまうのは軽はずみであり、仮に参考にしていたとしても、そもそものしんちゃんとナナの関係性を、しっかりと刮目していただきたい。

 では、何が決定的に違うのか?

『ドラえもん のび太の恐竜』において、のび太は、たまたま見つけた恐竜の卵を自力で孵化させ、ピー助と名付け、まさに親のように育て上げる。

 対して、今作のしんちゃんは、愛犬であるシロが連れて来た、ナナと友達になったわけであり、父性というよりは、お兄さん的な感覚が生まれたのではないかと、筆者は推測する次第だ。同じ家族でも、父親のような感覚か、兄のような感覚かは当然、違いがあるのではと。

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