みさえ&ひろしvsバブルの「親子論」
次にビリーとその姉・アンジェラと、父・バブル・オドロキーの親子関係について言及したい。
ビリーは前述の通り、父に対し脅威を感じ、逃亡を図った。一方、姉のアンジェラは、父・バブルの側近として働いていた。しかし、それは「アンビリーバブルな世界」を作るため、狂乱に陥っていた父を止めるためであり、ビリーが幼い頃から抱いていた、恐竜を蘇らせる夢を実現させてやりたいという、度を過ぎた親心を抱いたことが、闇落ちした原因だ。
ビリーはナナを探している最中、しんちゃんたちと遭遇し、意気投合をする一方、アンジェラは、ビリーを引き戻すため動いていたが、ビリーと再会後、互いの気持ちを打ち明ける。
その後、CGモニター越しにバブル・オドロキーと、野原一家&ビリー、アンジェラが会話するシーンがあるが、バブルはビリーとアンジェラに「私の言うことを聞いていればいい」と一蹴する。
対し、しんちゃんの両親である、ひろしとみさえは、「子どもの幸せを勝手に決めてはいけない」「子どもは自分なりに考えて成長してゆく」「その可能性を信じるのが親の務め。親としてやるべきことは、子供を支配することではなく、信じて送り出すこと」だと、バブルに言葉を放つが、彼は聞く耳を持たない。
みさえ&ひろしvsバブルの「親子論」のこの構図は、本作のテーマのひとつ「親子関係」を明確にし、非常に興味深い名シーンとなっている。
また、その後、アンジェラはしんちゃんたちとバーベキューをするのだが、その際に、しんちゃんが何気なく放った「やりたい時にやりたいことやれば?」という言葉に、心が揺さぶられる。こちらも屈指の名場面と言っていいだろう。