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「ナナ死亡」は、あまりにも悲しすぎる

『映画クレヨンしんちゃん オラたちの恐竜日記』
©臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK 2024

 この後、事態は急展開となる。バブル・オドロキーはアンモナー伊藤と共に「アンビリーバブル THE FINAL」という恐竜ロボットに乗り込み、渋谷の街を破壊しまくるのだ。

 物語のラストでは、渋谷のビルが倒壊し、しんちゃんたちが下敷きになりそうになる。

 しかし、恐竜であるナナは最後の力を振り絞り、ビルを支え、しんちゃんたちをその場から逃がそうとする。ビル倒壊の寸前に、ビリーがナナを救出し、めでたし、めでたし!

 …となると思いきや、ナナは息絶えているのだ。

 これには、「え!? ちょ、意味わかんないんですけど!」とツッコミを入れたい次第だ。「力尽きたから、死んでしまったの?」と、疑問が浮んでしまい、死因がはっきりしていないのだ。

 しかも、その場でビリーもしんちゃんたちも、あまり悲しんでいる描写はない。「せっかく、ビリーが救出したのだから、そこは生きていた方が良いだろうが!」と、筆者は切に思うのだが。何にしろ、「ナナ死亡」は、あまりにも悲しすぎる。

 また、バブル・オドロキーは最終的に逮捕されるが、特に改心した様子を見せない表現にも、疑念が残る。

 そこは、かつての優しい父親に戻るシーンを、誰しもが望んでいたのではないだろうか。せめて、刑務所で息子たちと面会する場面があってもとは、切に思う。

 色々と綴ってしまったが、エンドロールでは、しんちゃんとナナとの想い出が、しんちゃんが書いた日記の映像で表現され、子供たちの夏休みの想い出には、ぴったりの映画だと、最後には爽やかな気分にもなれた。

 ナナとシロがとにかくかわいいので、動物好きな方々にも、ぜひ足を運んでほしい作品だ。

(文・ZAKKY)

【作品情報】

■タイトル:『映画クレヨンしんちゃん オラたちの恐竜日記』
■原作:臼井儀人
■監督:佐々木忍
■脚本:モラル
■声の出演:小林由美子、ならはしみき、森川智之、こおろぎさとみ、真柴摩利
■ゲスト声優:北村匠海、オズワルド
■主題歌:My Hair is Bad 「思い出をかけぬけて」
8月9日(金)より全国公開中
©臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK 2024
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