孤高の女戦士フュリオサの知られざる半生
「緑の大地』で生まれ育った幼いフュリオサは、侵入してきたバイカーに見つかり、拉致されてしまう。拘束されて荷物のように後部座席に積まれたフュリオサが、熱くうなるエンジンを目の前にしてもまったくビビらず、パイプを齧みちぎって足止めさせようという執念を見せる部分で、もうキャラ紹介は十分。
名前の通り、激情と根性を併せ持った最強ヒロインである。
さらわれたフュリオサは、バイカーたちを牛耳るディメンタスの元へ行き着く。クリス・ヘムズワースが尊大なムードたっぷりに演じるディメンタスは今作のヴィランといえる存在で、知恵も働くが、どちらかといえばパワーで物事を運ぶ脳筋タイプ。
薄汚れたテディベアを肌身放さず持ち歩き、バイク3台をローマ時代の戦車のように連ねた「チャリオット」でつっぱしる姿は、バカがつくほどカッコいい。
フュリオサは助けに来た母親となんとか脱出。しかし、追ってきたディメンタスに捕まってしまい、母親はフュリオサの目の前で殺されてしまう。フュリオサは母親の仇であるディメンタスの元で育てられ、言葉を失って喋らなくなる。
やがてディメンタス一味は、イモータン・ジョーが取り仕切るシタデルにたどり着き、闘いを仕掛けることになるのだが、ここで前作『怒りのデスロード』で登場したキャラクターたちが顔を見せる。
カリスマ感が半端ないイモータン・ジョー、その息子で凶暴なリクタス、白塗りのウォーボーイズたち。武器将軍も、常に自分の乳首をイジってる人喰い男爵もいる。見るからにヤバい面々なのだが、前作を何度も観ているせいか、同窓会のようでホッコリする。
そして、荒れ狂うディメンタスは、ガソリンを精製する「ガスタウン」を掌握。その交渉の流れで、フュリオサはイモータン・ジョー預かりとなり、シタデルで暮らすこととなる。
故郷へ帰る機会を狙い、力を蓄えるフュリオサ。傍若無人に暴れるディメンタス軍団と、圧倒的な政治力を発揮するイモータン・ジョー帝国による、シタデル、ガスタウン、バレットファームという3拠点を巡る抗争劇へと発展していく。