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後世に語り継がれる一作…今、ナポレオンの人生を描くワケ。映画『ナポレオン』徹底考察&評価。忖度なしガチレュー

text by ニャンコ

英雄ナポレオンの人生を新解釈した映画『ナポレオン』が絶賛公開中だ。映画『グラデュエーター』手掛ける巨匠リドリー・スコットと、映画『ジョーカー』主演ホアキン・フェニックスと豪華タッグ。「悪魔」「食人鬼」と言われるほど戦闘を繰り返したのか…徹底考察していく。(文・ニャンコ)<あらすじ キャスト 考察 解説 評価 レビュー>

知られざるナポレオンの壮絶な人生

映画『ナポレオン』

ナポレオンの人生は、山あり谷ありのレベルではなく、壮絶そのものと言っても過言ではないほど波瀾万丈である。

その壮絶さは、ナポレオンが自ら戦地に赴き、卓越した戦術とカリスマ性によって生涯61もの戦闘を指揮したことからも明確である。そんなナポレオンの壮絶な人生であるが、本作では描かれていない戦闘がある。

それは、1796年の第一次イタリア遠征、1800年の第二次イタリア遠征、そして1805年のトラファルガーの海戦である。特にトラファルガーの海戦にて、フランス軍は敗北を喫している。

なぜリドリー・スコット監督は、有名な戦いである「トラファルガーの海戦」を描かなかったのか?

もちろん制作スケジュールや予算の問題などもあるかとは思うが、1番の理由は、「ナポレオン最大の失敗である1812年ロシア遠征を際立たせたかったから」だと考えられる。

ロシア遠征での大敗を期にナポレオンの人生は転落を始め、ジョゼフィーヌの死、島流し、そしてナポレオンの死へと繋がっていくのである。

そんな歴史的な転機であるロシア遠征をより際立たせるため、リドリー・スコット監督は、トラファルガーの海戦を描かなかったのだろう。

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