本物の病院を使用したロケー映像の魅力
本作のロケ地となっている精神病院は、1883年に設立されたオレゴン州立病院。実際に精神病院として使われている病院だ。
撮影にあたり、監督のフォアマンは、複数の精神病院にロケを依頼。しかし、ロボトミー手術や電気療法といった作中の描写は病院のイメージに関わるため、なしのつぶてだったという。
そんな中、オレゴン州立病院のみが撮影を許可。同病院は本来、1000床を超える大病院だが、撮影当時は病床の使用が2割程度だったため、病棟を一棟まるまる撮影のために使わせてもらい、一部スタッフは泊まり込みをして下調べを行ったという。
なお、本作の映像監督は、当初、『ヴァージニア・ウルフなんかこわくない』(1966年)などで知られる名カメラマン、ハスケル・ウェクスラーが担当。脚本や演出補佐なども行い、作品作りに大きく貢献していた。
しかし、撮影中にプロデューサーのマイケル・ダグラスやソウル・ゼインツによって突然降板させられ、『ロッキー』シリーズのビル・バトラーに変更。真相は明らかにされていないが、ウェクスラーが反戦運動に関わっていたことが原因と言われている。