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朝焼けを感じさせる「のこぎり」の旋律―音楽の魅力

ジャック・ニッチェ
ジャックニッチェGetty Images

本作の音楽を担当するのは、ジャック・ニッチェ。ローリング・ストーンズやニール・ヤングといった大物ミュージシャンへの楽曲提供経験があり、1982年には『愛と青春の旅だち』の音楽でアカデミー歌曲賞を受賞した名作曲家だ。

本作の音楽でとりわけ印象的なのは、「のこぎり」を楽器に使った本作のメインテーマだろう。どこか不穏な雰囲気の3拍子の太鼓のリズムに、ミュージックソウのおどろおどろしい音色が重なり、そこから徐々にブラスセクションの音色が響き始める。

この独特の曲調は、チーフのネイティブ・アメリカンのルーツを感じさせるとともに、夜の闇へと飛び立った彼の朝焼けを感じさせる。

また、マクマーフィーたちがバスで病院を抜け出すシーンで流れる「Bus Ride To Paradise」は、カントリー風の陽気な戦慄が特徴の楽曲。病院を抜け出す患者たちの高揚感を呑気に表現している。

続いて、マクマーフィーたちが船に乗るシーンで流れる「Cruising」は、前曲の雰囲気を引き継ぎつつも、木琴の音色がベースとなっており、どことなくトロピカルな雰囲気を漂わせている。

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