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妖しい光を放つ海上レストラン「バラティエ」

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サンジは原作では、海軍に大砲を撃ち込まれたルフィが、「ゴムゴムの風船」で、砲弾を返す。しかし、砲弾を返した先にあったのが海上レストラン「バラティエ」であり、そこでオーナー兼料理長をしているゼフが、砲弾により怪我を負い、その件で、ゼフとルフィが揉めている際に、サンジとルフィは対面する。

実写版では、海軍との衝突を避け、ルフィたちは船で霧の中に突入する。船の方向性を見失う一行だが、ルフィが食べ物の匂いを嗅ぎつけ、海上レストラン「バラティエ」を発見。ルフィは食事中にウェイターとして現れるサンジと対面を果たす。

厨房でメニューにない料理を作り、別の料理人に「メニューにはない」と突っ込まれ、「想像力だよ」と返すサンジ。ゼフに「駄作だな」、「メニューに従えないなら別の仕事を探せ」、「お前はもう調理から外す」などと小言を言われる。この掛け合いで、サンジとゼフのいがみ合う関係性をしっかりと視聴者に伝えることに実写版は成功している。

また、サンジの名シーンと言えば、バラティエを去り、ルフィ海賊団の一員になる際に、「……長い間!!!くそお世話になりました!!!」と土下座しながら、最後の言葉を言い放つ場面である。

ゼフの「サンジ、風邪ひくなよ」や、旅立つサンジの「……長い間!!!くそお世話になりました!!!」というセリフは公開前にどのように実写で表現されるのか期待が高まっていたシーンの一つであった。

蓋を開けてみると、原作のセリフは忠実に再現されてはいるものの、温度感が異なる点が気になった。原作では男の別れを描いたアツいシーンであるのに対し、実写版では比較的クールに演出されており、感情表現が抑えられている分、サンジのゼフに対する感謝の気持ちがひしひしと伝わる良シーンとなっている。

この先、実写版『ONE PIECE』では、原作で人気キャラクターであるチョッパーや、人気ストーリーのアラバスタ編などを実写化するのか、期待が高まる。

(文・吉田健二)

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