完璧主義、新田真剣佑の役作り
真剣佑自身『ONE PIECE』の大ファンで、その中でも特にゾロが好きだと公言している。この仕事の話が来た際は、きっと喜びと同時に相当なプレッシャーを感じただろう。しかしながら、彼のゾロはその外見から細部の仕草まで、申し分のない仕上がりであった。
まずはビジュアル、作中で筋トレばかりするゾロのイメージをしっかりと演出するため、鍛え上げられた美しい上腕二頭筋はゾロそのものだった。
さらに彼は、ゾロのトレードマークである金の三連ピアスを着けるために実際に穴を3つ開け、グリーンの髪色は地毛を染めたそうだ。このような奇抜なヘアカラーは日本人ではコスプレ感を感じてしまいそうだが、彼は浮くことなく、むしろ2次元から出てきたのでは? というほど馴染んでいた。
さらに、細かい仕草や、時折見せる腕組みの仕方は、まさにゾロ本人と言っても過言ではない。腕組みのポーズといえば、実写版で描かれるのはまだ先になるが、コミックス50巻での「…なにも!!! な゛かった…!!!! 」という描写だが、そのシーンを見比べてみると、手首の角度などが全く同じなのだ。
また、目線の動きもゾロそのものであり、気配を察すると顔は動かさずに、まず目線だけを動かす些細な表情も再現した。そんな、繰り返し観ないと気付かない様な細かい部分までを見事に演じ切ったことで、彼がどれだけ原作をリスペクトし、徹底的に研究しているのかが伝わってくるだろう。
実写化の作品が世に出る際、制作側が特に気になるのはやはり原作ファンの反応だ。というのも、実写にする際はアニメのイメージを守りつつ、実写としての新しい良さも出さなくてはならない。厳しい目で見られる実写作品だが、ここまで細かい特徴を捉えた演技を披露した彼には、原作ファンも唸るだろう。