少年ジャンプでは味わえない大人のゾロ
今作では原作とは少し違った、大人ゾロを堪能することができる。原作でも落ち着いた性格だが、真剣佑が演じるゾロはセクシーで、世界中の女性たちが虜となっただろう。
バラティエ編の酒場でのナミとのやりとりは特に大人っぽく描かれ、お互いの過去を話しながら強い酒をショットで飲む姿はなんとも粋で、洗練された映画を観ているようだ。
また、今作では人を斬った後の傷を写したり、死体を引き摺って歩くシーンなどを描き、週刊少年ジャンプの規制により、難しかった描写を表現することができ、“海賊狩り”の異名を持つゾロの恐ろしさを改めて感じることとなった。
また、後のアラバスタ編で重要となってくるバロックワークスという組織の誘いを断るために、勧誘に来た社員を斬ったという回想エピソードを見事に映像化し、原作では台詞でしか語られなかったエピソードだったため、原作ファンも大歓喜の補完となった。
原作やアニメをリスペクトし、その再現力に脱帽させられたが、加えて、原作では描かれなかったゾロというキャラクター像を十分に理解し、見事に表現した。それが、世界中のワンピースファン達から二次元から出てきたようだとまで言われる所以だろう。
今作で役者としてステップアップした姿を見せてくれた俳優・新田真剣佑に、シーズン2への期待が高まる一方だ。