12年後、初恋の人との再会

12年後。24歳となったナヨンは英語名・ノラを名乗りニューヨークへ移住していた。今作がデビュー作であるセリーヌ・ソン監督は、ノラについて「恋愛映画に登場する女性は、自分が誰なのかを探していたり、自分は人生で何がしたいのか分からなくて探求しているような女性であることが多いような気がする。でもこの映画では全く違う観点から女性を描きたかったのです」と語っている。

その通り、24歳のノラは、これまでの恋愛映画に出てくるような女性とは違う。家族と離れたった一人でニューヨークへ移住し、新進気鋭の劇作家として注目されていて、自立していて、エネルギッシュで、野心にあふれている。

明確に「こうなりたい自分」を持っており、恋愛をしていなくても十分に人生が充実しているような女性なのだ。事実、24歳のノラは、ヘソンの名前もすっかり忘れていた。そうしてそんな彼女を、グレタ・リーがパワフルにかつ、鮮やかに演じている。

一方、ソウルで大学生となったヘソンは、ノラのことを忘れられずにいた。12年前に離れ離れとなった初恋の女の子をいまだに探しているなんて…どれだけノラのことが好きだったのだろう。ついにFacebookを通して再会した二人は、ニューヨークとソウルという遠く離れた場所にいながら、Skype（懐かしい！）でビデオ通話をして関係を深めていくこととなる。