処刑すべき5人の名をタトゥーにして指に彫る
ピルジュは彼らの謀略によって、家族を失った過去を持ち、60年以上に渡り、その恨みを内に秘めてきた。そして、ひそかに貯めてきた資金と、一丁の拳銃を手に復讐が始まる。その拳銃には、明らかに日本人と分かる名字が刻印されている。その名前こそが、本作を語る上で重要なキーポイントとなっている。
まずは、レストランのアルバイト仲間の青年・インギュ(ナム・ジュヒョク)を運転手として雇う。用意されていたのは、ピルジュが「1週間だけ借りた」という真っ赤なポルシェだ。しかしながら、インギュは、何が目的で運転手として雇われたのか、知らされていない。
薄れゆく記憶力と闘いながらも、処刑すべき5人の名をタトゥーにして指に彫り、綿密な計画を作った上で、標的を次々と殺害していくピルジュ。片や、そうとは知らずに運転手を引き受けたインギュは激しく後悔する。
そんなインギュに、ピルジュはバッグいっぱいに入った現金を手渡す。それはピルジュの全財産でもあった。家族の病気の治療費などで、生活もままならず、闇金にまで借金していたインギュは、それを受け取り、ピルジュのバディとして、行動を共にする決意を固める。
殺人現場からすんでのところで逃げる2人だが、監視カメラ映像からインギュに疑いがかかる。テレビでニュースを見たインギュは取り乱し、計画を中止するようにピルジュを説得するが、既に死をも覚悟している彼を止めることはできない。“乗り掛かった舟”とばかりに、インギュはピルジュの逃亡に協力し、赤いポルシェは、警察の追っ手を逃れ続ける。