イ・イルヒョン監督らしいスピード感あふれる演出にも注目
サスペンスでありながらも、派手なカーチェイスも本作の見どころだ。『華麗なるリベンジ』(2015)でも、テンポのいい復讐劇を表現したイ・イルヒョン監督らしいスピード感あふれるストーリー展開だ。
本作では、大戦中の日本軍を「絶対的悪」として描かれている。加えて、その日本に媚びへつらい、戦後、韓国の重要ポストを得た韓国人を「朝鮮民族の魂を日本に売った連中」と位置付けている。
そうした“媚日派”の言い分は「過去に固執している限り、未来はない」といったものだ。また、いつまでも戦時中の徴用工や慰安婦の問題を持ち出して、日韓関係をこじらせている韓国政府に閉口している日本人も少なくない。
しかし、同作で表現される回想シーンの残酷さには、筆者のような日本人が見ても戦慄を覚える。