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ノルウェーの民謡をもとにした悲壮感あふれる旋律〜音楽の魅力

映画『ファーゴ』の1シーン。ウィリアム・H・メイシー
映画ファーゴの1シーンウィリアムHメイシーGetty Images

音楽を手がけるのは、カーター・バーウェル。『ブラッド・シンプル』(1984 年)以来、コーエン兄弟のすべての作品の音楽を手がけてきた音楽作曲家だ。

カーターは本作で、ノルウェーの民謡「Den bortkomne sauen(見失った羊)」をモチーフに複数の楽曲を制作。楽器にはハープやセレスタ(ピアノ風の鍵盤楽器)、ハーダンガーフィドル(ノルウェーの民族楽器)といった繊細な楽器が使用され、北欧風の静謐で厳格な楽曲に仕上がっている。

特にオープニングテーマの「Fargo, North Dagoda」では、孤独感を誘う物悲しいメロディから、徐々にオーケストラによる雄大な音楽へと移行。人間存在の小ささと荒涼で広大な自然とを見事に対比させ、ドラマを盛り上げている。

また、作中のバーのシーンでは、マール・ハガードの「Big City」やボーイ・ジョージの「These Boots Are Made for Walkin’」など、随所に1980年代のオールディーズソングが挟まれているのも特徴。こちらも併せてチェックしたい。

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